ATOM Cam 2 動画の 静止画変換

福 井 雅之

1. はじめに

ペルセウス座流星群極大日は静岡にいることが多 いのですが今年は久々の福知山。西中筋天文同好会メンバーと綾部市上杉町にある総合運動公園体育館で観測会を行うことができました。 ペルセウス座が昇り始める時刻になると雨が降ってきてやむなく撤収となりましたが、久しぶりの観測会を楽しませていただきました。メ ンバーは高齢者世代に突入してしまいましたが、観測会では高校・大学時代の記憶がよみがえり若返った気持ちになるのが不思議です。

観測会では残念ながら流星の撮影ができなかった ので、自宅に戻ってからネットカメラATOM Cam2での観測を続けまし た。ATOM Cam2による流星観測については、銀河鉄道第73号で“ふたご座流星群動画観測”として紹介しましたのでご参照ください。⇒リンク

今回のペルセウス座流星群も全く同じ環境で撮影 しましたので、前回紹介できなかった動画ファイルから静止画に変換する手順について説明します。

ATOM Cam2の流星撮影への応用は、天文ガイド最新の9月号に8ページにわたって掲 載されるなどメジャーになってきました。通常の使い方は防犯用途ですが、モノクロの感度が高く流星観測に適していることが口コミで広 がっています。

今回は対象流星の前後数秒〜数分間の動画を含め て比較明合成することで日周運動をバックにした流星写真に仕上げることを目指します。そのために必要なアプリとその使い方について以 下解説していきます。

 

2. 全体処理のイメージ

一言でいうと、

@  動画 ファイルをフレーム単位でjpg静止画にする。⇒使用アプリ:VideoProc Converter

A  このjpg画 像を比較明で合成。         ⇒使用アプリ:SiriusComp 64

の2段階処理になります。それぞれの処理手順は 次項に紹介します。

AtomCam 2の動画ファイルは1分単位の動画ファイルで生成されます。VideoProc Converterを使ってこれをフレーム単位の静止画に変換します。フレームは15/秒なので1分の動画ファイルで15x60=900枚 のjpgファイルが作られます。これを比較明合成するのがSiriusComp 64です。900枚 の静止画を比較明合成で1枚のjpgファ イルにすることで、1分間カメラのシャッターを開けて撮影したのと同等になり ます。ただ1分では日周運動がわかりにくいので、前後あわせた動画10ファイル(10分)をそれ ぞれ10個の比較合成jpgファ イルにした後、それを再度比較明合成することで10分間の日周運動にします。

 それでは今年のペルセウス座流星群で13046分に現れた火球並みの大きな流星を中心に、前後合わせて10分間の動画を比較明合成させた画像を実際に作ってみましょう。

 

3. フレーム単位静止画に(VideoProc Converter

フレーム単位でjpgファイルに変換します。今回使用したVideoProc Converterは 無償版です。変換・編集が5分以内の制約がありますがATOMCam 2のファイルは1分 単位分割されているので無償版で問題ありません。

@  アプリを立ち上げて1分の動画ファイルを読み込みます。

A  ツー ルボックスタブをクリックしてスナップショットを選択します。

B  オプ ションを選択し、スナップショップの設定値を入力します。
画像フォーマット⇒JPEG(*.JPG)
画像サイズ⇒元と同じ
画像数⇒90015フ レーム/x60秒)

C  RUNを押す
書き出しフォルダに元動画ファイル名でフォルダが生成され、その中にフレーム単位で変換された1分間900個のjpgファイルが保存されます。











4. 比較明合成(SiriusComp 64

  比較明合成は、ADBE PHOTOSHOPなどの画像処理アプリでも可能ですが、専用アプリを使え ば操作が簡単です。今回SiriusComp 64を使用して900個のjpgファイルを一 気に比較明合成しました。さらに日周運動を強調するため1分の合成画面10枚を再度SiriusComp 64で 比較明合成しました(全9,000フレーム)。
 @  アプリを立ち上げて比較明合成後の保存 ファイルの場所とファイル名を設定。“C画像ファイルを指定して比較明合成”をクリック。

A  1900個 のフレーム静止画のファイル全選択し“開 く”をクリック。

B  ファイル選択後、すぐに比較明合成を開始して保 存フォルダに生成ファイルを保存します。








4で生成した10分の合成画像は、ATOMCam 2の 動画のノイズが目立つことから、どうしても白成分が強調されて霧のかかったような画像になってしまいます。そこで、最後にPHOTOSHOPで明るさ・コントラストを調整し空を暗くします。




  火球並みの大きな流星の前後10分間にこの流星含め6個の流星が確認できました。5個 がペルセウス座流星群、1個が散在流星です。左上の4つの光点は、上から順に14秒⇒20秒⇒14秒間隔で約100msの閃光であることが確認できました。おそらく中高度以上の人工衛星回転によ る太陽反射光ではないかと思われます。こんな分析が容易にできるのもフレーム単位で静止画にするメリットです。
 このATOMCam 2、星野写真の微光星再現は一眼レフに は劣りますが、流星像は引けをとらないくらいはっきり撮れます。何よりも撮影後の処理で流星写真が完成できるのはうれしい限りです。 感度の問題でモノクロ写真になってしまいますが流星観測でATOMCam 2は 大きな選択肢です。今後とも流星・火球観測のメイン・サブ機材として活躍してくれそうです。
  


 






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