ラブジョイ彗星撮影記
福井 雅之
1年前のラブジョイ彗星(C/2013 R1)に続き、再び同名のラブジョイ彗星(C/2014 Q2)出現の情報を得て、最大光度の1月10日に富士山東側山麓にある朝霧高原まで撮影に行ってきました。
今回も1年前のラブジョイ彗星とほぼ同じ4等級。前回は早朝時間がない中であわてて撮影しなければならなかったのに比べ、今回は夕方から夜半まで観測できる最高の条件です。月の出21:00までを撮影時間と決め、望遠鏡など撮影機材と防寒着・食料を車に積込みいざ朝霧高原へと向かいました。
*1年前のラブジョイ彗星観望記(銀河鉄道WWW版第43号に掲載)
<2015年1月10日>
15:00 :自宅発
⇒車で移動(東駿河湾環状道路〜新東名(沼津長泉IC⇒新富士IC)〜西富士道路)
16:30 :朝霧高原着
⇒東〜南が開けている駐車場を探してしばらく休憩
18:00 :望遠鏡・撮影機材セッティング開始
⇒機材の組立・接続、水平出し、北極星での極軸合わせ、ピント調節・・・
18:50 :撮影開始
⇒いっしょうけんめい撮影(寒い。寒い。)
20:20 :終了・撤収
⇒忘れ物無きよう積込み
22:00 :自宅着
撮影機材はいつものとおりです。
望遠鏡 :ミザール12cm反射(焦点距離720mm)
カメラ :Canon EOS Kiss X4
方式 :直焦点
撮影時間1.5時間で様々なバルブ開放時間、様々な画角で38枚の撮影を行うことができました。
1月の朝霧高原はさすがに冷え込みます。カメラからUSBケーブルを車内に引き込み、バルブ開放時間設定やシャッター操作はノートパソコンにて操作、車外に出るのはガイドがずれてきたときの補正のみという横着な撮影スタイルとしました。
ただこの横着のせいでピントが甘いまま撮影していたことに最後まで気がつきませんでした。私のピント合わせの方法は望遠鏡を適当な1等星に向けEOSのライブビューで10倍に拡大、望遠鏡のドローチューブで念入りに微調整します。今回ここまではよかったのですが、その後彗星の尾に合わせて画角を変えるためカメラを回したときにカメラマウントごと回してしまい、そのねじ山半周分の焦点ずれが発生してしましました。このことに最後まで気づかず撤収時にはじめて緩んでいることに気づきましたが寒くて撮影し直す気力もなくそのまま帰宅となりました。次はもっと慎重に準備し、シャープな星像に挑戦したいと思っています。
今回観測した朝霧高原は思ったよりも空が明るく期待はずれでした。静岡県内では南アルプス手前の井川湖が最もよい観測地のようです。ただ道路が整備されていないので移動に時間がかかるのが難点です。
ラブジョイ彗星(C/2014 Q2)は、7等台になりましたが今も北極星近くで一晩中見えるようです。気分が乗れば再挑戦してみたいですが、720mmでは尾がほとんど見えそうにないようです。
写真1. ISO 3200 露出3分 (補正なし)
写真2. ISO 3200 露出5分 (コントラスト補正)
写真3. ISO 6400 露出30秒 (補正なし) 彗星そばに飛行機通過