2025年1月〜8月の天文現象の報告
 
                           上原 貞治
 
以下で、"◎>"は、2024年末に西中筋天文同好会のウェブページに出した「私が選んだ2025年の天文現象」からの引用です。●は私による観測報告です。
 
 
◎>年頭のしぶんぎ流星群は、1月4日0時が極大と予報されています。この時間はすでに月が沈み、輻射点も昇っていますので、好条件です。
●1月4日の3時39分から約30分間、つくば市で空を見張りましたが、散在流星を1つ見ただけでした。時間的に見るのが遅かったかもしれません。
 
● 昨年に見つかっていたC/2024 G3 ATLAS彗星の増光が、2024年12月に報告されましたが、明け方の空で双眼鏡で探したものの見つけることは出来ませんでした。白昼の空では無理でしたが、1月14日の日没時刻の直前、20cmの眼視でこれを捕らえることができました。下の写真1は、日没時頃のスマホのカメラによるコリメート撮影です。眼視でもこれに近い感じで見えました。−2等級と推定します。15日と17日の日没後にも見えました(写真2)。
 
◎>本年1年をほぼ通して見られる土星環の消失、あるいは「極細」については、現象や事情が複雑ですので、「銀河鉄道」WWW版75号の関連記事をご参照ください。
●年頭から2月にかけて、地球からみた土星の輪の傾きがだんだん小さくなってきました。1月31日に、これを20cm反射の拡大撮影で動画撮影しました。輪はちゃんと写りました。下の写真3は、動画をスタック処理して静止画化したものです。
 
◎>いわゆる土星環の消失で、今回もっとも注目されるのは、5月7日の前後で土星環の照らされる面が逆光から順光にスイッチする現象です。
●逆光の土星の輪は、低空で見にくいことと悪天候でチャンスがなかったのですが、5月5日の早朝に20cm反射を向けることができました。しかし、すでに薄明が始まっており、土星の輪はまったく見えませんでした。薄明のせいだったのかもしれませんが、20cmで土星を見て環がまったく見えないという経験はこれまで記憶にないので、これは貴重な体験になりました。
 
◎>6月17日18日の宵の空に見える火星とレグルスの接近は、明るさが近いので、色の対比がおもしろいかもしれません。
●5月5日以降6月中旬まで、関東は空がほとんど晴れず、星を見ることがずっと出来ませんでした。1カ月以上にわたって星を見なかったのは、子どもの時から考えても初めてだったのではないかと思います。それでも、6月21日の夜には、レグルスと火星がほぼ同じ明るさで並んでいるのを見ました。
 
●かんむり座T星が再帰新星として増光するという予想がでているので、見張っています。現在までに肉眼で見えるような増光は確認していません。7月20日に固定撮影のコンポジットで、この星を確認しました。写真(今号の表紙写真)で見る限り、10.1等程度に見えます。
 
◎>ペルセウス座流星群は、8月13日05時に極大の予報となっています。輻射点に比較的近いところに月があり、条件はよくありません。同流星群の観察の役得として、8月12日、13日の明け方には、金星と木星が接近した景色が見られます。
●福知山に帰省中でしたが、夜はずっと天気が悪く、特に12〜14日は雲や雨で流星群の観察はまったく出来ませんでした。
 
●8月16日深夜のプレアデス食は、雲が行き来し、月は見えたものの星の条件は悪そうなので断念しました。
 
 
写真は、いずれも、撮影地:茨城県つくば市、撮影者:上原貞治 です。
 

写真1: C/2024 G3 アトラス彗星
 撮影日時:2025年1月14日16時48分、16時58分
20cm反射、89X、自動追尾、スマホAQUOS WISHコリメート撮影、カーブ補正、トリミング。
 
 

写真2:C/2024 G3 アトラス彗星
2025年1月15日17時03分、ISO200,1/100秒×8枚コンポジット
20cm反射、1500mmエクステンダ、直接焦点、自動追尾
カーブ補正、色相補正、トリミング、
 
 

写真3:土星
2025年1月31日17時51分
20cm反射 f=1500mmエクステンダ 20mmアイピース拡大撮影
合成f=6700mm、ニコンD5300 動画モード
24fps(1920x1080)、シャッター速度1/30s、
感度最大Hi1(ISO25600)
AutoStakkert と Registax6でDo_allで適当ウェーブレット処理
Jpegでトリミング。
 
 

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