天文ガイド・購読半世紀の思い出④
田中邦明
この記事は、天文ガイド1972年1月号から半世紀にわたって定期購読を続け、その思い出を、主に、天文ガイドの表紙と広告からたどるものです。
今回は前回の③からの続編で、2019年1月号から2021年12月号までの3年間と短いですが、印象的な表紙や記事などを3点御紹介します。
最初は、米国アポロ計画50周年の特集記事です。
私たちは当時小学6年生。夏休みが始まった初日、日本時間の1969年7月21日の早朝にアポロ11号が月面に着陸しました。初の有人月面着陸でした。
そのインパクトは、多くの少年の心を揺り動かし、多くの子供たちが将来科学や理系の道を選びたいと考えました。
さらに、その8ヶ月後、1970年3月、大阪の千里で万国博覧会が開催され、早速、米国館とソ連館で「月の石」が展示され、大人気を博しました。
また、日立製作所や東芝、三菱電機といった企業のパビリオンにも、連日、長蛇の列ができました。
子供たちへの影響は非常に大きかったと思われ、その後の技術立国日本、電子立国日本を支える人たちに大きな影響を与えたことは間違いないと思われます。
しかし、その後、技術立国、電子立国は、すっかり影を潜め、現在の日本のエンジニアやサイエンティストは日陰を歩き続けています。
「誰がこんな国にしたのか」の検証もなく、かつて日本の発展を支えてきたエンジニアとその技術の多くが海外へ流れ、子供は減り続け、国立大学大学院生の多くは中国籍の若者で占められているという。情けないばかりです。
愚痴が増える年齢になってきました。単なる愚痴で終われば良いのですが、ぼやきはこれぐらいにして、次は、天文ガイド2020年12月号です。表紙には「さらなる超高感度特性の進化」とあります。
内容は「ソニーα7sⅢ」です。その記事の最初の頁に載った冬の星景写真の撮影データは驚愕のISO20000、焦点距離12mm、絞り2.8、4秒露出。唖然とするデータでした。
この頃から、各社が天体撮影専用のカメラを発売するも、我々庶民には高嶺の花で、50年前から経済的豊かさは全然変わっていないことを再認識させられました。
一方で、私たち庶民が購入する多くの物が中国製となり、SeestarやSWO-ASI等の製品が驚異的な低価格で天文ガイド誌面を賑わせています。
本当に大丈夫か日本!また脱線…反省。

1972年の1月号から始まった「天文ガイド」の購読が、新型コロナウィルス禍真っ最中の2021年12月号をもって50年となりました。
今回は、一区切りの50年ということで、極めて短い記事なりましたが、これでシリーズ終了というわけではなく、次回は、付録のカレンダーやポスターの特集としてシリーズ⑤を考えています。
もう暫くお付き合いください。
2025年 穀雨
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