2024年5月〜12月の天文現象の報告
上原 貞治
以下で、"◎>"は、2024年年頭に西中筋天文同好会のウェブページに出した「私が選んだ2024年の天文現象」からの引用です。●は私による観測報告です。
◎>13P/オルバース彗星も海王星族の大物周期彗星で、こちらも、7月に夕方の西空で、7等まで明るくなるとみられます。
●4月に明るくなった12P/ポンス・ブルックス彗星(前々号に既報)に続き、13P/オルバース彗星も地球に接近しました。5月14日に眼視で8.5等と観測しました。下に掲げるように写真も撮りました。
◎>8月10日のスピカの食は、やや低空にはなりますが、観測しやすい時刻と月齢で問題なく楽しめるでしょう。
●お盆前に福知山で帰郷中に、月とスピカが接近しているのを肉眼で見ました。低空で望みにくい方向だったので、潜入までは見ませんでした。
◎>ペルセウス座流星群は、上弦の月がありますが、月が低くなった深夜から観測を始めれば大きな支障はないでしょう。
●
前号の編集後記で写真付きでお伝えしましたように、田中さんに綾部市上杉町の運動公園まで連れて行ってもらって福井さんと3人で久々に「ペルセウスナイト」を楽しみました。前号の表紙写真は、その時の田中さんによるものです。しかし、残念ながら、その夜は、22時前頃から雲が多くなり、撤収しました。星空は見られましたが、はっきりとした流星は一つも見られませんでした。翌夜の早朝(14日早朝)は、短時間ながらペルセウス座の方向に星が見え、流星1個を見ることが出来ました。
◎>C/2023 A3 ツーチンシャン・ATLAS彗星は、大きな彗星で長い間観望できます。特に、10月には太陽の近くで、0等級まで明るくなると期待されています。
●予想通りの大彗星になりました。ただ、途中の光度増光が鈍いことがあって、7月までに夕空では捕らえられませんでした。9月下旬の明け方の空もチャンスに恵まれず、最初に見たのは、10月12日の夕空の低空となりました(表紙写真)。翌日の13日から15日までは、肉眼で尾が見られました。ヘール・ポップ彗星以来の肉眼で尾が伸びているのが楽に見られる大彗星となりました。(下の写真)
◎土星環が真横位置に来て消失するのは、来年ですが、今シーズンすでに環は相当細く見えるようになっていて、しかも、太陽光の日当たりが悪くなっているので、明るさが暗くなるのが追えると思います。
●写真を撮りました(下)。シャッターブレのためか、輪が輪として写りませんでした。
◎>12月8日の土星食は、京都府北部を北限界線が通っています。福知山市付近では、ところによっては、土星本体あるいは環の一部が月に隠れ、一部は隠れないことが起こります。
●20cmのアイピース拡大法で、撮影しました。土星環と月面の明るさとの間に相当の輝度差があり、カメラの処理によるjpeg画像(下)以上の調整を私がするのは難しそうです。
●12月25日早朝のスピカ食を観察しました。肉眼で見ようとしましたが、潜入は肉眼はおろか望遠レンズをつけたカメラのファインダーでもスピカの確認は困難でした(下の写真の撮影時)。やむを得ず双眼鏡で見ました。出現時はよりマシでしたが、こちらも瞬間は肉眼ではわかりませんでした。
●かんむり座T星が再帰新星として増光するという予想がでているので、見張っています。幸い、この星は、時刻を選べば、年中見える位置にあるので、できるだけ注意して継続的に見張っていますが、現在までに肉眼で見えるような増光は確認していません。
写真は、いずれも、撮影地:茨城県つくば市、撮影者:上原貞治 です。

13P/オルバース彗星 2024年5月14日19時40〜46分、5秒露出×8枚コンポジット
自動追尾、ニコンD5300、望遠ズーム300mm、F5.6、周辺減光のみ落とすトリミング



C/2023 A3 ツーチンシャン・ATLAS彗星
(上)2024年10月13日18時08分 露出5秒×8枚コンポジット、ニコンD5300、望遠ズーム48mm、F5.6、自動追尾でのコンポジット、トリミング
(中)2024年10月13日17時53分 20cm反射40倍をスマホカメラでコリメート撮影、AQUOS Wish 自動露出
(下)2024年10月17日18時03分 露出1秒、ニコンD5300、50mm単焦点、F2、固定撮影、カーブ補正

土星 2024年11月29日19時40分、露出1/15秒×7枚コンポジット、20cm反射・エクステンダーf=1500mm×アイピース9mm拡大、ニコンD5300、自動追尾、明度補正、トリミング

月と金星 2024年12月5日18時47分、露出1/60秒、ニコンD5300、ズームf=65mm、F4.5、明るさとコントラストの補正


土星食 2024年12月8日、露出1/25秒、20cm反射f=800mm×アイピース9mm拡大、ニコンD5300、自動追尾(以上共通);(上)潜入 18時20分57秒、(下)出現 19時01分54秒

スピカ食 2024年12月25日3時13分、露出1/125秒、ニコンD5300、望遠ズームf=300mm、手持ち
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