「ハリーに次ぐもの」訂正・補遺

                              上原 貞治
 
 銀河鉄道WWW版65号に「ハリーに次ぐもの」( リンク)という彗星に関するものを書きましたところ、ネットで読んで下さった彗星観測家の方から、 109P/スィフト・タットル(Swift-Tuttle)彗星もこれに該当するのではないかというご指摘を受けました。調べてみましたところ、確かにスィフト・タットル彗星は、与えられた3つの条件をクリアしています。該当の彗星がすでに提出した3個に加えてもう1つあったということで、ここに訂正をし、以下に補足を加えます。貴重なご指摘をありがとうございました。周期彗星のリストから手作業で探索を行ったために、漏れが生じたものと思います。
 
109P/Swift-Tuttle  スィフト・タットル彗星
 この彗星は、1862年の回帰時(発見は7月、近日点通過は8月)に、スィフトとタットルによって発見されました。軌道が計算され、ほどなくペルセウス座流星群との関連が明らかになりました。この年には、日本でも肉眼で観測されています。日本で観測された頃の明るさは、西洋での観測や1992年の出現時の明るさから、2〜4等であったと推測されます。流星群との関連の指摘で周期彗星であることは確実になりましたが、当初120年と言われていた周期は不正確で、再検出が行われたのは、130年後の1992年でした。1992年には5等台前半で観測されましたので、2回連続で明るさの条件はクリアしています。また、正確な軌道が得られてから、1737年など過去においてもこの彗星が肉眼で観測されていたことが判明しました。次回は、2126年に地球にかなり接近して、0等級で観測できると予想されています。


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