私が選んだ2010年の天文現象
上原 貞治
 
 毎年恒例、完全マンネリ化の当シリーズですが、2010年のめぼしい天文現象をリストアップしてみました。
 下の表を見て下さい。「時」は、おおよその時刻で一部でいわゆる30時制を採用しています。つまり、24時より大きい数値は翌日の早朝を意味しています。本当は、もっと正確な時刻がわかっているのですがここでは省略しています。目安だと思って下さい。実際に観測する際は、もっと詳しい予報を自分で入手して下さい。
 
「種別」の意味は以下の通りです。
 
ast --- 小惑星による恒星の掩蔽(恒星食)
com --- 彗星の観測好期
ocl --- 月による星食
pla --- 惑星現象
M.ecl ---  月食
S.ecl ---  日食
met --- 流星群
Jsat --- 木星の衛星の相互食
Ssat --- 土星の衛星の相互食
 
 このリストの製作には、小惑星による恒星の掩蔽については、佐藤勲氏による初期予報、その他の現象については天文年鑑2010(誠文堂新光社)を利用しました。 
 
 天文現象は、関東地方で観測に適している現象ということで選びました。これは筆者が現在関東に住んでいるためであります。他の地方に在住の方には申し訳ありません。関西地方(実際には近畿全般)での現象の観測の可否を最終欄に示しました。◎は関西でもほぼ同様に観測できる現象、○は多少条件は異なるものの観測できる可能性のある現象、×は観測できない現象を示します。
 
                          (2010.1.4改訂)
月/日 種別 現象 評価 関西
1月1日 3 M.ecl 部分月食 **
1〜3月   pla 火星小接近 **
1月3〜4日   met しぶんぎ群 *
1月5日 18 ast (96) Aegle **
1月22日 19 ast (1118)Hanskya **
1月25日 19 ocl プレアデス食 **
2〜4月   com 81P/ヴィルト彗星 **
3〜4月   com P/2009 O2 カタリナ彗星 **
4〜5月   com P/2009 K5 マックノート彗星 **
5〜6月   com P/2009 R1 マックノート彗星 ***
5月11日 27 ast (7476)Ogilsbie *
6月8日 23 ast (1796)Riga ** ×
6月16日 26 ast (1780)Kippes ** ×
6月20日 26 ast (371)Bohemia **
6月26日 19 M.ecl 部分月食 **
6月26日 26 ast (504)Cora * ×
7月14日 25 ast (175)Andromache *
8月12〜14日 夜半〜 met ペルセウス群 ***
9〜12月   com 103P/ハートレイ2彗星 ***
10月21〜23日   met オリオン群 *
10月25日 23 ast (336)Lacadiera **
11月6日 23 ast (249)Ilse ***
11月17〜18日   met しし群 *
11月25日 21 ast (690)Wratislavia *** ×
12月4日 27 ast (327)Columbia ** ×
12/13〜15 21以降 met ふたご群 ***
12月14日 25 ast (3147)Samantha **
12月21日 16 M.ecl 皆既月食 **
12月29日 22 ast (3526)Jeffbell *
 
 
 
 では、評価の*印の2個以上のものをいくつかかいつまんで詳細を紹介しましょう。
 
● 1月1日早朝の部分月食は軽微ですが、初日の出に先んじる現象です。
 
●1月25日のプレアデス食は、月が星団の中心近くを通過します。
 
● P/2009 R1 マックノート彗星は、6月上旬に6等くらいまで明るくなるかもしれません。
 
● 6月25日の部分月食は、月が出るころに始まります。
 
● 8月のペルセウス群は、月の条件がよろしいです。
 
● ハートレイ2彗星は10月から11月にかけて4等まで明るくなるでしょう。
 
● 12月のふたご群は、月が低くなる夜半以降がチャンスです。
 
● 12月21日の月食は、月が出るころが皆既です。