2001年レオニズ・ドタバタ記

田中 邦明



 皆様お元気でしょうか?

 私は、西中筋天文同好会の初観測会(旧石原高校の運動場でペルセウス座流星群を観測)から30年を経過した今も、相変わらず、流星群といえば数日前からソワソワし、落ち着かないおじさんでいます。

 ここでは、昨年の獅子座流星群のドタバタを報告します。

 当日はインターネットのWebで短時間降水予報や雲の状況を何度も確認し、午後10時頃から晴れ間を求めて兵庫県春日町へ移動(舞鶴自動車道を約15分南下)。

 現地到着後10分、既に明るい流星がいくつか流れ始めています。

 筑波の上原会長とも何度か携帯電話連絡。「筑波は晴れている。」とのこと。

 春日町では午前0時頃までは晴れ間が見られたものの、午前1時頃には、ほぼ全天を埋め尽くす雲!・・・が、しかし北東の空には晴れ間が見えます。「あ!福知山は晴れとるやないか。」

 「えらいこっちゃ、福知山方面へ戻らなあかん。」急がないとピークを見逃します。慌てて移動の準備に入るも暗い足下、カメラをセットしていた三脚の一本を蹴飛ばしてしまいカメラと三脚はコンクリートにぶつかり、「グワシャ」何かが破損する鈍い金属音。

 マイカーの中でカメラを点検すると、レンズの前のUVカットフィルターが縦に真っ二つ。フィルターリングも歪んでいる(力一杯フィルターをはずそうとしても微動だにせず)。

 「レンズは大丈夫か、メカニカルシャッターはやられてへんか。光軸も狂たんちゃうか。ああ、高校時代から使い続けて約30年。いよいよお別れか?」と恐る恐るファインダーを覗いてみると、周辺像が多少流れているような気がするが中心付近の像に歪みは見られない。空シャッター音は「正常」に聞こえる。(結局、フィルターが割れた状態のまま撮影したために、周辺画像が歪んでしまっています。各フォトの星像が流れ見難くなっているのはそのためです。)

 とにかく晴れ間を求めて福知山方面へ移動することに。

 舞鶴自動車道篠山ICまで南下し、今度は来た道の反対車線を福知山ICに向かって北上。

 市島あたりから北の空には晴れ間が広がり、車内からフロントガラスを通して非常に明るい流星がヒュンヒュン飛ぶのがよく見えます。

 100km/h近いスピードで走る車のフロントガラスを、続々と現れる流星が横切ります。「こんな光景はもう二度と見んやろな」と思いながら大きなカーブを曲がり始めたとたん、「危ない!」人が車道を走っています。「事故か?」路側帯に数台の車が止まっています。

 違う!事故ではありません。殆どの人が空を見上げています。走行中に流星の多さに気付いて車を停め、流星を見ている人たちです。

 これは、まるで「未知との遭遇」のUFOの出現を待つ人たちと同じです。延々福知山IC近くまで、同じようなコロニーが繰り返し登場しました。何とも不思議な光景でした。

 福知山ICを降り、急いで石原に戻ります。薄雲がかかるも、流星がどんどん流れるのがよくわかる状態です。車庫前の空き地でカメラの三脚を据え、アングルを考える間もなくレリーズを押しましたが、訳がわからないくらい流れます。筑波とも何度も連絡をとり、「凄い!ほんまに凄い!」「アッシャー博士は偉いもんや」。

 天文薄命が始まっても未だ流れつづけ、世紀の大流星雨の一夜となりました。


当夜の撮影した中からいくつかをご覧ください。 ギャラリーへ