今秋のイベントから
田中邦明
この記事は、2025年秋から初冬にかけ、京都府北部で開催された写真展や講演会の観覧、聴講した報告です。
写真展に過去にはあまり見なかった星景写真等が出品されることが増えてきたこともあり、今回3つの写真展にも足を運びました。
<福知山「市展」>
最初は10月31日~11月3日に市民交流プラザで開催された第61回福知山・市展です。
市展には星景写真が複数展示されていました。
そのうち1点が写真の部「奨励賞」となっていました。星空ファンとしては、一般の写真展でも市民権を得たようで、ことのほか嬉しく感じました。
この「奨励賞」を受賞した作品は「銀河鉄道」、作者は福知山市の佐古田さんでした。
おそらく、加悦町の旧SL広場の入場ゲートを前景に、星空を撮影されたものと思われます。
このアングルは、昨年3月23日両丹日日新聞の記事「国際サロンで入選 下篠尾の和久さん 宇宙走る銀河鉄道表現」という記事に掲載された入選作とほぼ同じでした。
このSL広場閉鎖後の時間を考えると、撤去される前に、私も同様のアングルで撮影したいと考えてしまいます。
記事中の「国際写真サロン」とは、日本で最も歴史のある国際的な写真コンテストです。
この国際写真サロンに何度も入選した福知山市の恒見さんの二男と中学校のクラスメイトで、中1の時に彼の自宅に遊びに行った際、何気なく置かれていた作品「少年と海」(だったか「海と少年」だったか記憶は曖昧ですが)に強烈な印象を焼付けられたことを憶えています。
その作品は、海水浴を楽しんでいる数人の少年たちの背を陸側から望遠で撮影しているのですが、沖には大きな波が迫っており、背面しか写っていない少年たちの視線が大波に向かっていることがイメージできる凄い作品でした。
当然ながら白黒フィルムの銀塩写真で、昨今のAI機能をもったカメラと違い、レンズの絞り、シャッター速度を経験と勘で設定し、そのフィルムを薬品で現像、さらに暗室で印画紙に焼き付け、黒から白の間のトーンだけで表現するという、勘と経験が活きる職人の神業で生み出された奇跡に近い作品でした。
ちなみに、クラスメイトの恒見君はミュージシャンで、ジャパネットたかたの「ジャーパネット、ジャパネット、ジャーパネットたかた …」の作曲者です。中学生の頃は、私にも「フォークギターを弾いて一緒に歌おう」と勧誘する少年でした。
<丹後美術工芸展>
次は11月21日~11月23日に京丹後市で開催された第36回丹後美術工芸展です。
こちらにも星景写真が複数展示されていました。
山陰ジオパークに含まれる京丹後市は、自然をテーマにした作品も多く、毎年伺っています。
<「天文館パオ」開館30周年記念天文講演会>
続いて、11月23日、綾部の「天文館パオ」開館30周年記念の天文講演会「綾部で見上げた宇宙に『地球の仲間を求めて』太陽系の外に広がる惑星の世界」の報告です。
講師は綾部高校平成14年卒業生・福井暁彦さんで、現在東京大学大学院総合文化研究科の講師という方でした。
太陽系から数十光年以内にある恒星系のハビタブルゾーン(生命居住可能領域)にある惑星検出がメインテーマでした。
意外に多くの高齢者が参加されていて予想以上に盛況でした。
公演後の質問時間に「あやべ宇宙教室」の女性が質問され、そんな組織が綾部にはあるんだということがわかりました。
「あやべ宇宙教室」は天文館パオが主催する、宇宙や天文学に関する講演会やイベントの総称のようです。
工作教室や宇宙や気象に関する体験型のワークショップも実施されることがあるようです。
また、95cm反射望遠鏡も状況によっては観望会以外でも利用可能な場合があるようですが詳細は不明です。
開設当時は近くのパチンコ店のサーチライトが夜空を巡回していましたが、パチンコ店は閉店したようで、光害も少し緩和されているようです。
<加佐フォトクラブ2025>
続いて、11月26日~11月30日に加佐公民館で開催された「加佐フォトクラブ2025写真展」です。
こちらは例年、天体写真の大先輩である小谷昭先生が天体写真を複数出品されていて、私たち天文ファンの目玉になっています。
「オリオン座とカノープス」「ペルセウス座流星群」「核崩壊のアトラス彗星」「M51 うずまき星雲」「クラゲと猿の横顔」の5作品でした。
いずれも、非常にキレの良い作品で、見習うべき点が多くありました。
撮影地は、徳島県や兵庫県まで遠征されていて、そのパワーにも敬意を表したいと思います。
<写真展「大江の物語 変化する鬼たち」>
最後は、11月7日~11月30日に大江町の大雲記念館、大江駅、ゆらのガーデン、市民交流プラザを会場として開催されました。
こちらは特に天体写真があったわけではありませんが、旧平野家住宅「大雲記念館」を主会場として、野趣あふれる写真展で、加佐フォトクラブ写真展へお邪魔する途中に寄らせていただきました。
少し交通の便が良くないのですが、福知山へ帰省や旅行でお越しの際は、フラッと立ち寄られるとタイムスリップできるかも知れません。
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