M101回転花火銀河に現れた超新星(SN2023ixf)
福井雅之
1.超新星発見の情報入手
舞鶴にお住まいで元福知山市児童科学館館長の小谷様より「M101内に超新星が発見された」との一報をいただいたのは5月23日。第一発見者の板垣さんが報告された3日後のことです。超新星は年間数千個も発見されるので珍しい天文現象ではありません。この数日前も、おとめ座銀河団に属するNGC3568内に出現し小谷様も偶然撮影されています。ただ今回のM101のように2000万光年以内の近い銀河に発見されるケースは少なく10年に一度くらいと言われています。光度は11〜12等級なのでアマチュアでも十分撮影可能です。
私は今まで超新星を一度も見たことがなく、千載一遇のチャンスと撮影準備にとりかかることにしました。
2.6月3日(1stトライ)
すぐにでも望遠鏡を向けたかったのですが、仕事と母の退院が重なっている時期で、電視観望で使っている口径5cmのREDCATでとりあえずの撮影できたのが6月3日。発見から2週間経過していました。とても皆様にお見せできるものではありませんが、まずは初めて超新星を撮影した1枚ということで。
3.6月16日(2ndトライ)
光学系をREDCATから口径6cmのBORG60EDにしたかったので再トライしました。1.4xテレコンバータを追加して焦点距離490mmです。しかしピント合わせが悪かったのか空の調子が悪かったのかボケボケ写真になってしまいました。
4.6月19日(3rdトライ)
この日の福知山市猪崎からの星空はいつになくくっきり見えます。ピント合わせもバッチリ行い最後の挑戦です。画像処理に初めてステライメージ使ったところ、渦巻の腕もはっきり見えまずまずの画像に仕上がったと思います。発見から1か月たっても超新星は暗くなった印象がなくはっきり写っていました。
普段はなかなかお目にかかることのできない超新星。ベテルギウス騒動は不発に終わりましたが、生きているうちに天の川銀河内に超新星の明るく輝く姿を是非見てみたいものです。
今号表紙写真に、超新星出現前の4月撮影と出現後の6月写真の比較組写真を掲載いただきました。