福井雅之
45年ぶり福知山の地に戻ってきました。いざ住むとなると何もかもが懐かしくつい出かけたくなりますが、福知山市は新型コロナ感染拡大の最中にあり落ち着くまではしばらく我慢の日々です。福知山の皆様これからどうぞよろしくお願いいたします。
そんな状況下ではありますが「一人で天体撮影くらいは…」と思い、4/11(日)天気もよく新月だったので久しぶりに福知山の星空撮影に出かけることにしました。観測地は若かりし頃の思い出の地“三岳青少年山の家(注1)近くの広場”と決め、福知山の美しい星空を広角・固定撮影で狙うことにしました。
国道9号から426号そして三岳山への山道を経て観測地まで車で約30分。あっという間に到着しました。
事前調査不足ではありましたが、この場所は日没暗くなる頃、撮影したかったオリオン座+天の川が西側の丘に隠れ始めます。仕方なく対象を北斗七星に変更することにしました。せっかくなので、流星撮影用に昨年購入した28mmF1.8のレンズテストを兼ね、一眼レフ付属ズームとの比較で本稿をまとめさせていただくことにします。撮影に使ったレンズは次の2種類です。
@ カメラ(EOS Kiss X4 Wズームキット)購入時セットになっていた CANON ZOOM LENS EF-S 1.8-55mm F3.5〜5.6
A 昨年流星撮影用として中古品購入した SIGMA HIGH-SPEED WIDE 28mm F1.8(まだ流星撮影で使ったことありませんが…)
これを同じ感度(ISO 3200)、同じ露出時間でどれくらい写りが違うかを比較します。2つのレンズとも露出時間を1秒/10秒/30秒/60秒と変化させ撮影しました。以下、左側写真:@のレンズ 開放絞り値F4.0 右側写真:Aのレンズ 開放絞り値F1.8 になります。
<露出時間:1秒>
<露出時間:10秒>
<露出時間:30秒>
<露出時間:60秒>
明るさは圧倒的にAのレンズF1.8に軍配が上がります。しかし拡大してみると画像周辺部が収差の影響で点像になっていません。また周辺部減光もズームに比べて目立ちます。流星を撮るなら明るいAのレンズが有利ですが、星野写真は@のレンズで赤道儀追尾した方がきれいに撮れると思います。結論としては“主に撮りたい被写体”によって使い分けるしかなさそうです。
最後にありきたりの作品ですがコントラスト&明るさ補正した北斗七星と日没後すぐの冬の大三角です。落ち着いたら春霞のない透明度のよい日を選んでいて座付近の天の川を赤道儀追尾で挑戦してみたいと思っています。そして本番は昨年苦戦したペルセウス座流星群です。
注1:“三岳青少年山の家”は“みたけ山荘”に改称、現在は閉鎖されています
編集者注:「日没後すぐの冬の大三角」の写真をリサイズし、表紙に掲載させていただきました。