2020年5〜12月の天文現象の報告
 
                           上原 貞治
 
以下で、"◎>"は、2020年年頭に西中筋天文同好会のウェブページに出した「私が選んだ2020年の天文現象」からの引用です。●は私による観測報告です。
 
◎>6月21日午後の部分日食は、半分程度の食分になります。
●私のところでは、曇りで見られませんでした。本誌の前号の表紙に、福井さんが撮影された写真があります。
 
●7月上旬に、久々の大彗星となった C/2020 F3 ネオワイズ彗星は、悪天候のため7月19日まで見られませんでしたが、明るさはそこそこキープしていて、8月初めまで3〜5等で双眼鏡で見られました。
 
◎>今年のペルセウス座流星群は、下弦の月が輻射点の近くにあるので、12日の深夜、月が高くなる前に月から離れた方向を観測するとよいでしょう。
●福知山市観音寺で夜中に少しだけ空を見ましたが、流星は出現しなかったように思います。これも、前号に福井さんの写真と報告があります。
 
◎>火星は、9〜10月は、大接近に近い大きさで観測できます。2年前の大接近では、大黄雲に火星面の観測を阻まれたので、今回はリベンジのチャンスになります。
●10月初めに20cmで見ました。まずまずの眺めで、これほど火星の模様が見られたのは、2003年以来と感じました。
 
● 7月以降、ネオワイズ彗星のほかに、中くらいの明るさの彗星がいくつか出ましたが、いずれも、市街の明るめの夕方の空では見にくいようで捕らえることができませんでした。その中で、明け方の低空に出たC/2020 S3 エラスムス彗星だけは見やすく、11月に6〜7等で捕らえることが出来ました。
 
●11月30日の半影月食は、肉眼でも(言われればですが)左半分が暗くなっているのがわかりました。下に写真を掲げます。
 
● 昨シーズンは、1.6等まで減光したベテルギウスですが、今シーズンも当初は0.9等まで暗くなりました。が、そのあと回復して、秋以降現在までは、0.6等前後です。
 
◎>12月のふたご座流星群は、月の影響もなく、13〜14日、14〜15日に安定して流星が見られると期待されます。
●13日の夜に、つくばで、10分間ほど空を見ましたが、流星らしきものは一つも見られませんでした。
 
◎>12月21日夕方の木星と土星の接近は、20年に1度の現象で、西の低空ながら、中倍率の望遠鏡の同一視野に両惑星を捕らえられるくらいまで接近します。
●好天に恵まれ、最接近の2日前から5日連続で観察することができました。最接近の日でも、肉眼でちゃんと分離できました。写真を表紙に載せます。下は、衛星も写るようにした長めの露光の写真です。表紙に載せたのにも薄いながらも衛星が写っています。
 福井さんの記事もご参照ください。
 
 
 
半影月食
2020年11月30日18時25分    露出時間1/2000秒。 20cm反赤(f=800mm)、
直焦点。ニコンD5300、自動追尾、トリミング。
 
 
 
木星と土星の接近
2020年12月21日17時11分    露出時間1/4秒。 20cm反赤(f=800mm)
LV20mm接眼レンズにて拡大。ニコンD5300、自動追尾、トリミング。
表紙写真と露出時間以外は同じ条件ですが、PCでの画像調整はしていません


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