福知山児童科学館天体写真展を訪ねて

田中邦明  

 この記事は、2019年10月福知山児童科学館の天体写真展に出向いた際のものである。
 10月初旬、福知山ローカル「両丹日日新聞」上で、福知山児童科学館において「アマチュア天文家が見た神秘の天体写真展」開催の記事を見つけた。
 アマチュア天文家として、塩見堯氏、小谷昭氏、お二人が撮影された天体写真を、10月5日〜11月4日の約1ヶ月間展示するという内容であった。
 塩見氏は、国立舞鶴高等工業専門学校を退官された方という噂は予てよりお聞きしていたものの、個人として面識のない方である。
 一方、小谷昭氏は30年以上前、私が中学校の教員をしていた頃に初めてお会いし、舞鶴天文同好会での活動や自宅に設置された25cm級の反射赤道儀のお話を伺った記憶がある。
 その後、閉校した福知山市立北陵中学校の最後の校長として、定年一年前に退職され、その後、福知山児童科学館館長も務められたと記憶している。
 さて、写真展は自動科学館1階に展示コーナーが設けられており、お二人の作品が順に展示されていた。(フォト参照)

展示コーナー

 塩見氏は地球近傍つまり月や太陽を中心とした作品を多く展示されていた。丁寧な作品が多かった印象である。
 小谷氏の作品は対象が多岐にわたり、オーロラと思われる作品も展示されていた。
 個々の作品を撮影された機材も多岐に及び、これらの機材を使いこなすためには多くの経験と工夫があったものと推察される。
 最近の機材は、以前のものとは比べものにならないほど機能的に優れているものが多いが、それらを使いこなし、その能力をフルに引き出すにも機材に対する理解と経験が必要であると推察される。
 ちなみに、小谷氏は高校時代までを京都市近郊で過ごされたようであるが、京都市の光害から逃れるように京都北部へ職住を定められたようである。自宅に天体望遠鏡を設置されただけでは飽き足らず、皆既日食などの天文現象を求めて、現在も精力的に海外へも撮影に出向かれているようであり、舞鶴商工観光センターや福知山児童科学館における写真展示などで、その素晴らしい作品を拝見している。
 羨ましくも見習いたい思いが満ちてくる天体写真展であった。

   2019年 師走


今号表紙に戻る