2001年後半の天文現象の報告
  2001年はまだ終わっていませんが、これを次号に回すと話題が hot でなくなるので、2001年7月以降現在までに私が観測した天文現象を、特別掲載の「私が選んだ2001年の天文現象」をベースとして報告します。現在以降年末までの追加分があれば次号で報告します。
 
◎>>> 2001年1月に発見された、C/2001A2 リニア彗星が予想以上に増光し、6月下旬以降、日本でも観測できるようになりました。それで、6月28日、10倍70mm双眼鏡で観測してみますと、空の透明度は悪かったですが、簡単にこの彗星を捕らえることができました。光度4.5等と見積もりました。コマは大きく明るい彗星でしたが、尾は明瞭ではありませんでした。その後、暗くなったり、また少し明るくなったりしながら、7月に至るまで明るい光度を保っています。<<<
 
 7月12日に5.0等で観測しました。
 
 
◎>>> 7月23日の小惑星ウルダによる恒星食は、恒星が6等星と明るく観測が容易です。山陰、北陸、関東、東北地方などで、掩蔽される確率が高くなっています。<<<
 
 つくば市から観測しました。つくば市からは掩蔽にはなりませんでしたが、山形県と宮城県で掩蔽の観測が報告されました。小惑星が小さく、掩蔽帯はごく狭かった模様です。
 
 
◎>>> ペルセウス群は、月が夜半過ぎから昇ってきますが、まずまずの条件です。<<<
 
 福知山に帰省中でしたので、8月12日の夜に田中氏と観測会をすることにしました。しかし、夕方から完全な曇りになり雨も降りそうでしたので、中止となりました。夜半を過ぎると雲に切れ目が見え始めましたので、家の窓から外を眺めていると10分くらいのあいだに2個の流星を見ることができました。とても観測といえるようなものではありませんでしたが、私の経験では、窓から流星がみられるというような横着な話はめったにあるものではありませんので、少し感動しました。
 
 
◎>>>8月16日早朝の木星食は夜明け前に全経過が見られます。見事な眺めとなるでしょう。<<<
 
 曇り空のため、観測できませんでした。
 
 
◎>>>しし座群は、日本で大出現するという予想も出ています。アッシャーの予想に一発を賭けるなら19日の午前3時頃となります。<<<
 
 アッシャーの予想通りの大出現が見られました。私は、つくばの市街地で見ましたが、午前3時台に最大になり、1分間に10個以上の流星が見られました。 
 
 
◎ 8月に出現した「白鳥座2001第2新星」を、 8月22日に10倍70mm双眼鏡で観測しました。似たような明るさの星が多く、わかりにくい場所でしたが、7.5 - 8.0等のこの新星を捕らえることができました。
 
◎ C/2000 WM1 リニア彗星 も 順調に増光し、11月26日の早朝と宵に(1日に2回!)、10倍70mm双眼鏡で観測しました。(6〜7月に明るくなったリニア彗星とは、もちろん別モノです) 6〜7等でした。特に宵は、雨上がりの澄んだ天気で、近くに月があったにもかかわらずはっきりと見えました。この彗星は、年末から年始にかけて5等まで明るくなりますが、南に低くなるため、日本からの観測は困難になります。                           
                                 (きっとつづく)