編集後記
発刊部  上原 貞治
 
 ここのところ、いろいろと気持ちにも身体的にも余裕がなく、天文に関することが楽しめていない気がずっとしていたのであるが、今回、西天のホームページと銀河鉄道をまとめてみると、職場で天文学史の発表も出来たし、まずいながらも一定数の写真も撮れているし、まあそこそこはできているということで納得することが出来た。志は高く持つべきであるが、贅沢を言ってはいけない。また、福井さんからは、これまでの観測機器の製作とご活用をまとめられたような記事をいただいた。横着撮影とおっしゃっているが、深夜に山地のほうまで出かけられるだけでも敬服に値すると感じる。
 
 というようなわけで、銀河鉄道がその時々の天文その他の活動のメモと振り返りの材料になっているだけでも嬉しいことである。それが、他の方々へのご参考になればさらに有り難いことである。あまり欲張らず、ここのところは何とか継続することを念頭に進めたい。今後ともよろしくお願いします。
 
 さて、ここで私の近況を書かせていただきたい。私は、本職として、研究所で粒子加速器を使った実験に携わっている。最近、この加速器が新たに作られ(改造?)、8年振りに本格的な実験が始まった。そうなると、また、夜中の当番がやってくる。有り難いことに、若い時から天体観測で鍛えたおかげで、夜中の当番に出るのは星を見に行くような気分があり、「辛い」とか「いやだ」とか思ったことはまだないのであるが、この年になると肉体的に「しんどい」ことは否定できない。今から30年ほど前は、50代以上は夜中のシフトは免除というすらあったのであるが、今は高齢化でそんなことをしていたら夜中のシフトを取る人が人がいなくなるのである。シニアも無理をせずに夜中も務めるというのが今の時代なのであろう。この実験は、いつまで続くか正式には決まっていないが、10年くらいは続くのであろう。私は実験の最後まで所属していることはないと思うが、所属する限りは現状を維持したい。でも、世の中で70代とおぼしき警備員の方が夜間も働いていらっしゃる、あれは私には真似出来そうもない。
 
 今号の表紙のカシオペヤ座、一見、緻密な計算のもと、計画を立ててはるばる夜中に写真を撮りに出かけたように見えるでしょう。実は、撮影場所は、私の職場で、シフト仕事の終了後、引き上げる途中に取ったものです。


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