通巻第100号に寄せて  「がんばってます!観望会」


まりまりこと中久保(旧姓大槻)真理

 

 上原氏よりまたまたうれしいおハガキ第2弾をいただきました。ありがとうございます。

 

西中筋天文同好会会誌「銀河鉄道」通巻第100号!おめでとうございます。前回おハガキをいただいて40周年記念号に寄稿してから早5年がたったのですね。40周年記念号その他バックナンバーをWeb上で懐かしく見させてもらってから,日々の忙しさに(中学校教師の仕事はかなりブラック)なかなかその後継続して見る余裕もなく,4人の子育てと実母の介護などして過ごしておりました。4人の子供も末っ子がやっと来春大学を卒業して独立するので,一段落つきそうです。同好会の会員(準会員?)とはとても大きい声では言えないわたしですが,中学校に赴任してから曲がりなりにも天体観望会を継続実施しているので,ちょっと原稿にできそうかなと思って,せっかくなんでなんとか決意して原稿を書いています。京都市の中学校の夏休みは短く822日始業です。ということで,やっぱり締め切りギリギリになっております。(ハガキでは17日締め切りだったのですがWeb上では21日になっていたので許してください。)

 

 前回,近況を簡単にお伝えしていましたが,30年小学校に勤務したのち中学校に異動して5年目を迎えました。まだまだ中学校理科教師としては新米の部類ですが,そこは年の功でなんとか口で誤魔化してやってます。自転車操業ともいえるぐらいの教材準備の日々。生徒に教えるためには自分自身が学び直すしかありませんのでそれもなかなか大変です。でも,本当に改めて,学ぶということ,新しいことを知るということは楽しいことだと感じています。また,子どもの?は本当に面白くて,こちらがわかっているつもりだったことも,子どもから尋ねられると本当には分かっていなかったということばかり。その中で,自分も再発見したり,不思議なことを見つけたりといろいろ新鮮な毎日です。中学校に来なかったらそんなこともなかったかなと思います。特に3年生の宇宙に関する単元では,授業ごとに子どもたちからいろいろな?がどんどん出てきて,1つ新しいことを知るとそこからさらに次の疑問がわき起こり,子どもたちの想像力に感動しています。

 

 今住んでいるところ京都市京北地域は「花降る里」というキャッチコピーもありますが「星降る里」のキャッチコピーもぴったりの京都市一の星空を有していると思います。そんな地域なので,中学に赴任してからこの5年間,年間4回から5回の小中生向け(保護者や地域の方を含む)の天体観望会を継続実施してきました。(結構がんばっているでしょう?!)京都市の生き生き理科推進事というものに応募して予算を獲得し,立派な天体望遠鏡も2台購入できて機材も充実しています。まあ,本当にどこに行っても星を好きな人はいるものですね。前回にお知らせしたスタッフの先生方(3人ともすでに退職されていますが協力していただいています。)に加えて,今年赴任された校長先生が,天文学専攻の理科の先生。さらに布陣が強力になっている今年度です。812日には今年第2回目の天体観望会を実施したところです。ペルセウス座流星群の観測をメインテーマに,上弦の月,夏の星座,惑星(木星・土星・火星),火星とアンタレスの競演などの観望を実施しました。観望会中に10個ほどの流星も見ることができました。二重星やダブルダブルスター,球状星団なども望遠鏡でとらえて観望しましたよ。だんだん,スタッフのおじさまたちが天文少年に戻って楽しんでおられる様子がおもしろかったです。参加者は,家族5人みんなで参加してくれる常連さんだったり,小学1年生からずっと来てくれていて,今は中学生になった子など,バラエティーにとんでいます。

 

本校出身の生徒で理科の教師になった26歳の女の子は滋賀大で天文を専攻していました。今,東大の大学院在学中で多分宇宙物理を専攻している男の子(小学校の教え子たちです。)もいます。京北出身で天文や宇宙の道へ進んでいる子がいるのもうれしいことです。その2人とも,小学校の時に一緒に早朝から日食観察(2002年かな?)をしたことを覚えています。それが進路のきっかけになっているかはわかりませんが・・・

 

今年6月に地域の小学校5年生の長期宿泊体験学習でホタル観察と天体観察の講師になって出かけ,望遠鏡で土星を見せました。やんちゃでいろいろと課題もある男の子が,土星の環を実際に見てつぶやいた言葉が・・・「オレの人生,変わったわ。」でした。それほど,天体を望遠鏡で星を見るということが感動ものなのですよね。その言葉を聞いてとってもうれしくなりました。

 

 

なんで人は星を眺めるのかな?この同じ星を多くの人が眺めてきたし,これからも眺めるでしょう。遠く離れていても同じ星を眺める人がいれば,つながっているなあって思います。この星の光はいったいどこから,どれだけかけてここに届いているのかと思うとほんとに不思議な気分になります。星を眺めていると本当にいろいろと思いをはせてしまいます。星を眺めてみようと思わせてくれたわたしの出発点は,やっぱり,あの三岳山で眺めた流星雨の映像記憶ですね。実は,末っ子が女子硬式野球をしに福知山成美高校に進み,3年間福知山で寮生活を送っていました。その間,福知山へはよく通っていたのです。今でも女子野球部のOG会とかもあって福知山にはときどき出かけて行きます。今は三和町の実家はもう家もなくなり,実母も綾部の弟の家から出て,私が引き取っているので,福知山界隈とは少し離れてしまい,京北中心の生活を送っていますが,機会があればまたいつか一緒に三岳山で星空を眺めたいです。

 

定年まであと少しとなってしまいましたが,京北の星空は自慢ですので,これからも天体観望会を継続していきたいと思っています。

 

銀河鉄道がこれからもますます末永く続くことを願っています。みなさん健康に気をつけてお元気でお過ごしくださいね。 

 

 

 

 

 

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