2001年前半の天文現象の報告
  21世紀の最初の年も半分以上過ぎてしまいました。2001年1〜6月に私が観測した天文現象を、特別掲載の「私が選んだ2001年の天文現象」をベースとして報告したいと思います。
 
◎>>>マクノート・ハートレー彗星は、2000年12月下旬現在、7等程度になっています。これよりずっと明るくなることはあまり期待できませんが、1月から2月にかけては、7〜8等で見られるものと思われます。<<<
 
 この彗星は、2000年末に7等で観測しました。その後は観測していません。
 
 
◎>>> 1月10日早朝の皆既月食は食の最後の部分を除いて全経過を見ることができます。
また、皆既の最中に3.5等星δGemが食されるという珍しい現象が見られます。<<<
 
 悪天候のため、観測できませんでした。
 
 
◎>>> 火星は、6月に最接近します。梅雨入り前の気流が安定しているときに見ると細かい模様まで眺められると期待されます。<<<
 
 今年は、関東地方がほとんどカラ梅雨だったこともあり、連夜、この赤い星が目立ちました。6月に20cm反射で見ると、大シルチス、ヘラス、サバ人の湾、南極冠がはっきりと見えました。あまり明るいので、金星や木星と間違えた人がいました。2年後の大接近が楽しみです。
 
◎ 「私が選んだ...」にはあげていませんでしたが、3月14日夜の小惑星アローサによる恒星食を観測しました。つくば市からの観測では掩蔽はありませんでした。日本国内では掩蔽は観測されなかったようです。
 
◎ 2001年1月に発見された、C/2001A2 リニア彗星が予想以上に増光し、6月下旬以降、日本でも観測できるようになりました。それで、6月28日、10倍70mm双眼鏡で観測してみますと、空の透明度は悪かったですが、簡単にこの彗星を捕らえることができました。光度4.5等と見積もりました。コマは大きく明るい彗星でしたが、尾は明瞭ではありませんでした。その後、暗くなったり、また少し明るくなったりしながら、7月に至るまで明るい光度を保っています。
                        (2001年後半...に続く)