私の天文グッズコレクション (第1回 暦、時計編) 
                                上原 貞治        
 
 今回から数回にわたって、私の持っている天文グッズコレクションをご紹介したいと思います。といっても、持ち物としてあまり自慢になるようなものは持っていないし、特に気合いを入れて収集しているわけでもありません。ほとんどのものは誰でも簡単に入手できるものですので、こんなモノがありますよ、というただのご紹介に過ぎません。私が多少なりとも趣味としてコレクションしているのは、星図と博物館ショップ等の科学グッズですが、これらとてまったくたいしたことはありません。
  1回目は、暦、時計に関するものとします。
 
1.万年カレンダー
 たしか1990年代にどこかの科学館で買った物と思いますが、メーカーも販売元も記載がありません。裏面で、西暦年と月を合わせると、表面にその月のカレンダーが現れます。曜日と日付の対応は正しいですが、大の月、小の月にかかわらず31日まで出てきます(存在しない日付は無視する)赤い西暦年はうるう年で、うるう年の場合とそうでない場合で、1月と2月だけは合わす位置が違います。写真に2015年5月に合わせた場合を示します。
 この手の万年カレンダーは、子どものころにしばしば見た気がしますが、現在はかえって珍しいようです。また、この品は、ネットで「万年カレンダー」"1844〜2124"で画像検索しても同じ物は出てこず、かなりレア物かもしれません。今は、何年何月のカレンダーでもスマホで調べられますから必要ではなくなりました。
 

  

2.携帯用日時計
 これも、どこかの科学館のグッズです。日時計の針というか影を作る部分が抜き差ししてしまえるようになっているのが長所です。TOKYO SAIL という日本の会社が作ったにも関わらず、もともとは高緯度用だったらしく当地に合わなかったので、私が板を削って目盛りも修正しました。たぶん、ヨーロッパ製の物をそのままデッドコピーしたのでしょう。説明書が付いていますが何となく翻訳口調です。日時計面には方位磁石がついていますので、一応、実用を意識しているようです。
 なお、裏面は星座早見盤になっています。星座早見はまた別の回に特集してご紹介しますが、一つだけ書かせていただくと、星座早見のほうはなぜか低緯度用になっていて、カシオペア座が完全に沈んでしまいます。わけがわかりません。
 



3.四分儀ペーパークラフト
 暦や時刻の研究には天体観測が必要、というわけで、これは、天体の高度を測るための四分儀のペーパークラフトです。書かれている言語はポーランド語で、私にはまったく読めません。別に英語の説明書が付いていました。使い方は図の通り、重りを下げて高度を測るという単純な物です。
 実用にしようとも思わないほどの物ですが、これを売っていたのは、かのコペルニクスが学んだというポーランドのクラクフの大学校コレギウム・マイウス(現ヤギェウォ大学の一部)の展示館で、実際にそこで買った物です。ですから、これが販売されていた場所に価値があるということにして下さい。展示館にはコペルニクス当時の本物の四分儀もありました。
 



4.計算尺
 最後は、暦の計算にかつては欠かせなかったかもしれない計算尺です。実際には計算尺程度では本格的な天文計算には精度不足だったでしょうけど、野外でちょちょいと使われたことはあったでしょう。この計算尺は私の子どもの頃に家にあったもので、おそらく私の母親が学校で使ったものと思います。だとすると1950年頃の物でしょう。型番は、Relay R-806となっていて、本体は竹製です。ネットで調べると日本製で学生用の安物だそうです。安物だけに現在ではかえって貴重かもしれません。
 もともとはカーソルがついていましたが、今は紛失してありません。ガラス製だったように思うので割れて捨てた可能性大です。私はこれで小中学生の時に若干の掛け算をした覚えがありますが、実用向けに本格的に使ったことはなく、正しい使い方も知りません。裏側に尺貫法とメートル法の換算や米1升の重さなどの数値の表があり、終戦直後の時代を偲ばせます。
 


  

 今回はそれぞれ金銭価値にして数百円程度の安価な物ばかりでした。というような具合で今後も続けたいと思います。
 

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