ふたご座流星群の思い出
                                               福井雅之
 
2014年ふたご座流星群の極大日は12月14日(日)でした。
「2001年しし座流星群以来久々に流星を見たい。」との衝動にかられ、自宅から徒歩3分にある柏谷公園の芝生広場に足を運びました。
厚着はしたものの30分で寒さにギブアップ、銀河鉄道掲載の写真を撮るどころではありませんでした。
それでも町明かりの中、ふたご座流星群特有の白っぽい早い流星を5個観測することができました。
 
時はさかのぼりますが、我々世代の天文ファンは1972年のジャコビニ流星群騒動がきっかけの人が結構多いのではないでしょうか?
当時中学生だった私は4人の友達と近くの烏ケ岳に登り観測をすることにしました。固定撮影でカメラに収めようと機材を準備、結構な重装備で臨みましたが全くの肩透かしでガッカリして下山したのを覚えています。それでも初めて撮った天体の日周運動には感動したものです。
その2ヵ月後、ふたご座流星群の存在を知りリベンジを決意。今度は一人で近所の田んぼの真ん中で固定撮影のカメラをセットし厳寒で手がかじかむなかふたご座が上ってくるのを待ちました。
月が沈み、真っ暗な空に後から後から落ちてくる流星を初めて見たときの感動は今でもよく覚えています。天文現象の神秘さを感じるとともに、極大日の正確な予報にも驚かされたものです。
寒さを忘れ夜半まで必死でレリーズを使ってシャッターを切り続けフィルム1本撮り尽くしました。しかし残念ながら写真屋からあがってきたプリントには流星らしきものは1枚も写っていませんでした。そういえばカメラを構えた方向と違う方向にいつも流れていたと変に納得し天体写真の難しさも痛感した体験でした。
私が天文ファンになった原点は、この2つの流星群観測体験です。
 
そして高校のときに上原氏と出会い、同好会メンバと一緒に活動させていただくようになるとさらに加速。望遠鏡こそありませんでしたが双眼鏡で銀河をよく眺めていました。
現在は本当に気が向いたときだけ望遠鏡を持ち出すような細々とした活動しかできていないのですが、大きな天文イベントは必ず観測するよう心がけています。
間もなく還暦を迎えるような歳になりましたが、昔のメンバと星を見ながら語り合えるような日が来ることを心待ちにしています。
 
 

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