2014年5月〜12月の天文現象の報告
                          
                           上原 貞治
                               
 
以下で、"◎>"は、2014年のそれぞれの年頭に西中筋天文同好会のウェブページに出した「私が選んだ2014年の天文現象」からの引用です。●は私による観測報告です。発行日の都合上、12月27日で締めにしました。
 
 
◎>パンスターズ彗星(C/2012 K1)は、4月〜6月にかけて見やすい位置にあり、6月末に7等まで明るくなると予想されています。7〜8月は、太陽に近づいていったん見えなくなりますが、9月〜10月はまた明け方に見えるようになります。5〜6等になると期待されます。
●5月29日に望遠鏡で観測しました。空の透明度が悪かったのに加えてやや拡散していて意外と暗く感じ、9.2等と観測しました。コマがいびつに見えました。秋期は個人的に多忙だったので観測することができませんでした。
 
●8月5日の小惑星(466)Tisiphoneに7.0等の恒星の掩蔽は、つくば市で観測を行いましたが、掩蔽帯が予報からずれていて(恒星が二重星だった?)通過が観測されました。
 
●8月30日に、新彗星であるジャック彗星(C/2014 E2)を、10x70mmの双眼鏡で観測しました。小さいながら7等星として低倍率でもポツリと見えました。
 
◎>10月8日の皆既月食は、19〜20時台に皆既になるという今年もっとも観測に適した現象と言えるでしょう。
●欠け始めは低空だったものの天候に恵まれ、始めから皆既の直前までは継続してきれいに眺めることができました。ところが、皆既の直前に雲がやってきて皆既の開始に邪魔をされました。でも、皆既の途中でそこそこ持ち直し、写真撮影を行うこともできました。(下の写真参照、田中氏による今号の表紙写真も参照)
 
●10月中旬に大きな太陽黒点が出現しました。10月27日に日食用フィルタを出してきて肉眼で太陽を見てみました。だいぶ縁に近づいていましたが縦長になった黒点を肉眼で確認することができました。
 
●12月13日の夜ふたご群流星群を見てみましたが、15分間で2個しか見ることができませんでした。極大よりも1日前だったからかもしれません。(福井氏による今号の記事を参照)
 
●同夜12月13日に、新彗星のラブジョイ彗星(C/2014 Q2)を観測しました。南に低く高度8度だったのですが、20cmの眼視で見えました。7.6等と見ましたが、南の地での観測ではもっと明るく見られているものと思います。12月27日に再観測しました。少し高度は上がってきまして、この時は6.2等と観測しました。
 
●同夜12月13日から14日にかけて、自宅からカノープスを見ました。実は、私は、この9月に引っ越しをして住まいを変えたのですが(同じつくば市内です)、南が低空までよく見えることが証明されました(それを目的に引っ越したわけでありません。下の写真参照・この写真はうちの中から撮影したものです)。




2014年10月8日の皆既月食。撮影19時27分。20cm反赤。直焦点f=800mm。ニコンD70。撮影地:茨城県つくば市。



住宅地から見たカノープス。2014年12月21日23時27分、露出30秒、固定(流れているのは日周運動)。望遠ズーム(f=210mm)、トリミング、ニコンD70 撮影地:茨城県つくば市。撮影時の高度は約1.2°
 

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