「太陽系外惑星と宇宙における生命」講演会に参加して
 
                                        福井雅之
 
 今年のお盆は、台風接近前早めに福知山に帰省をしたため、8月14日に自宅函南町に戻りました。
帰宅途中、三島駅新幹線から在来線の乗換口を出てすぐの壁に「宇宙と天文の講演会」のポスターを発見。タイトルが「太陽系外惑星と宇宙における生命」、国立天文台の先生をお招きして1.5時間の講演とのこと。早速その場で電話をし参加申込を済ませ、8月16日に夫婦2人で聞きに行きました。
 
 講演内容は、
@地動説以降の宇宙解明の歴史
A太陽系惑星形成のプロセス
B太陽系外惑星形成のプロセス(推定)
C地球型惑星発見の進化と現状
Dこれからの地球型惑星発見・観測への展望(今後建設されるTMT望遠鏡への期待)
といった順で話が進んでいきました。
多くの資料や画像を使ってお話いただいたのでとてもわかりやすかったです。
 
 どうやって系外惑星を見つけ出すかについては、初期の「ドップラー法(恒星・惑星相互の重力作用から起こるドップラー効果でのスペクトル分析)」や「トランジット法(惑星が恒星の前を横切るときの光度変化測定)」「重力レンズ法(惑星の動きによる重力レンズの変化の影響)」によるものから、今では「直接観測(恒星を遮蔽して大望遠鏡で直接惑星を捕らえる)」が主流で、特にケプラー宇宙望遠鏡による相次ぐ系外惑星発見により飛躍的に進化したことは私も知りませんでした。
 
 先生のご講演のとおり「宇宙全体で第2の地球はどれくらい存在するのか?」についてはこれらの研究で次第に明らかになってきています。ハビタブルゾーン(水が液体で表面に存在できる環境)に位置する惑星がかなり発見されているのも事実です。しかし、もう一歩踏み込んで「生命の発生する確率は?」については、地球以外の生命が1つも発見されていない現状からすると研究者にとってはまだまだ遠い課題のようです。
 
 今回の講演で感じたことは”私の思っていた以上に系外惑星の解明が進んでいること” ”その中で地球型に位置づけられる惑星もかなり発見されていること”です。
今後の宇宙探査で、太陽系内の地球に似た衛星(エウロパやタイタンなど)で生命の痕跡を見つけることができれば、地球外生命について研究者間でももっと論じやすくなるのではないでしょうか?
講演終了後の質問コーナーで時間いっぱいまで中学生〜大学生の質問が飛び交っていたのは、今回のテーマが如何に興味深い内容だったと言えると思います。
 
 本講演会を主催された月光天文台(私の住んでいる函南町にある)のプラネタリウムと50cm反射の鏡がリニューアルされたようです。こちらも近々是非見学に行きたいと思っています。
 
 私の12cm反射望遠鏡は、最近物置に入りっぱなしです。秋には引っ張り出して次回銀河鉄道に写真を掲載したいと思っていますが実現しますかどうか。
 
P.S.本日福知山市内が大雨で冠水し大変なことになっていることをニュースで知りました。福知山市民皆様しばらくは大変なご苦労が続くと思いますが1日も早い復旧をお祈りいたします。私が何ができるわけではないのですが今週末に再度帰省するつもりです。
 

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