2012年5月〜2012年12月の天文現象の報告
                          上原 貞治
                               
 
以下で、"◎>"は、2012年の年頭に出した「私が選んだ2012年の天文現象」からの引用です。●は私による観測(不測も含む)報告です。今回は、発行日の関係で12月25日で締めとしています。
 
◎> 5月21日の朝、日本の広い範囲で金環日食あるいは深い日食が見られます。
●このビッグイベントについては、すでに本会誌の別のところ(前号および今号)に書き、他の方からもご投稿をいただいていますので、そちらに譲りますが、当方のところでは、気にならない程度の鵜薄雲はあったものの始めから終わりまでほぼ完璧に見られました。
 
◎> 6月4日の部分月食は、月が出る頃に半分くらい欠けていて、月食の後半が見られます。
●これは薄曇りというか厚曇りに近い天気でしたが、一応望遠鏡で見られました。ただ、雲間からの月食というのは、現象の見た目としてはあまり腑に落ちないものです。
 
◎> 6月6日は、日本中で金星の太陽面経過が始めから終わりまで見られます。
●このビッグイベントについても本会誌にいろいろご報告をいただいていますが、当方ではおおむね曇りで、雲間から一時的に金星の黒い姿が見られただけでした。
 
 
◎> 8月のペルセウス群は、下弦を過ぎた月が高くなる前の時間帯に見るのが良さそうです。
◎> 8月14日早朝の金星食は、夜間に始めから終わりまで見られるという絶好の条件です。
●金星食は曇りのため見られませんでしたが、それが終わったあとの月と金星の接近は雲間から見えました。また、別の雲間からは、ペルセウス群流星の「落ち武者」も見られました。 
 
●9月23日に、天王星がうお座44番星に接近しましたが、その前後3日間ほど天気が悪く見られませんでした。(今号の表紙写真参照)
 
●10月8日の夜は、いわゆるジャコビニ流星群の13年ぶりの大出現がないか念のために見張りましたが、日本で見られる時間帯に大出現はなかったもようです。
 
●10月16日に、168P/ハーゲンローザー彗星を10等で観測することが出来ました。
 
◎>12月のふたご群は、新月の頃なので月の条件が最良です。
●13日の晩、 私は、早い時間帯しか眺めなかったので、2個しか見られませんでしたが、夜半以降はけっこう出現があったようです。
 
●12月25日に、地球に最接近中のC/2012 K5 リニア彗星を9等で観測することが出来ました。月が空高くこうこうと照っている状況で見られましたので、本当に9等ということは考えづらく8等くらいはあると思われます。
 

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