2009年1月〜8月の天文現象の報告
                          上原 貞治
                               
◎>>2月に接近するルーリン彗星は、空の良い位置で2〜4等になるという予想が出ています。<<
 ルーリン彗星は、2008年末から2009年3月初めまで追跡しました。残念ながら、予想ほどは明るくなりませんでしたが、6等の大きな少しざらついた中央集光(10'〜15')が観測できました。
 
◎ 5月に突然思い立って、最速移動の恒星バーナード星を見てみたいと思い、写真撮影をしました。3カ月で移動が確認できるのではないかと思い、7月に74日後の写真を同様の方法で撮影しました。たしかに、移動しているのがわかります(今号の表紙写真)。 恒星の移動がワンシーズンの間に確認できるものとは知らなかったので、たいへん感動しました。計算によると移動量は2.1秒角です。
 
◎ >>7月22日の日食では、南西諸島、硫黄諸島で皆既食となります。日本列島からもかなりの深度の日食が見られます。<<
 あいにくの曇り空でしたが、雲の間から合計数分だけ欠けた太陽を見ることができました。下の写真で、左は最も欠ける最大食の前、右はその後のものですが、最大食の頃は雲に隠れて見られませんでした。
 


写真データ:2009年7月22日 望遠ズーム、フィルタなし、手持ち、ニコンD70
 右:10時55分、1/6400秒; 左:11時38分、1/8000秒。
 
 
◎ 7月19日に、木星の南極に近いところに彗星の衝突痕らしきものが出現しているのが見つかりました。1週間後の27日1時頃、20cm反射で見ると、確かに、シューメーカー・レビー第9彗星の時のような黒い斑点が一つ見えました。
 
◎>> 8月のペルセウス座流星群は、月齢19で条件はよくありません。<<
8月12日の夜は曇り、13日の夜は晴れましたが、結局、流星は1つも見ることができませんでした。残念。
 
◎最近、「日本ハーシェル協会」に入会させてもらったので、記念(?)に天王星の衛星の写真に初挑戦しました。ティタニアは文句なしに写っているようですが、オベロンについては微妙です。
 


写真データ: 2009年8月15日00時13分,16分、露出各30秒、2枚合成。自動追尾。20cm反射ニュートン式+エクステンダ(f=1500mm)、ニコンD70、ISO1600設定。明るさとコントラストの補正、ノイズ除去。トリミング(ピクセル原寸)。

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