いよいよ”サイクル24”の幕開け
 
                                           福井 雅之
 
”サイクル24”は、天文ファンよりもアマチュア無線ファンのほうがわくわくする言葉でしょう。
 以前、月面反射通信EMEのことを書きましたが、天文と無線シリーズ第2弾(シリーズと言っても続かないと思いますが)はこの話題とします。

 このサイクル○○は太陽活動が活発な時期のことです。太陽は約11年周期で活発な時期と穏やかな時期のサイクルを繰り返すことはよく知られています。今はサイクル23が終了してこれからサイクル24が立ち上がる転換点で、太陽黒点がほぼゼロという穏やかな状態を保っています。

 では何故アマチュア無線家にとってこのサイクル○○が大きな関心事なのでしょう。
 1)太陽活動が活発になる(黒点数が増える)。
 2)その影響で地球を取り巻く電離層の電離度が高くなる。
 3)電波が電離層で反射し易くなり、長距離通信が可能となる。
特にHF(短波帯)の上のほうからVHF(超短波帯)の下のあたりの効果が大きいようです。普段は静かな28MHz帯や50MHz帯はこの時期一気に活気づき、小さな電力で容易に海外通信ができるようになります。

 商用無線の世界はデジタル化が進み、不安定なHF(短波帯)を使わなくなってきていますが、アマチュア無線の世界では今も海外通信の王道として健在です。だからこそ太陽黒点の活動状況に一喜一憂するのです。

 最近のアマチュア無線雑誌の記事やアマチュア無線家の個人HPも結構この話題でにぎやかになってきました。NASAがこのサイクルは過去になく活発になるだろうとの論文を発表したとの情報もあります。

 さて実際はどうなのか?2011年頃にピークを迎えるサイクル24がいよいよ幕開けです。
 
(追伸)
日本で久しぶりに見られる皆既日食まで約1年となりました。この頃はサイクル24の上昇期で黒点の数もそこそこ期待できます。日本の多くの天文家が南の島で撮影する写真にもこのサイクルの黒点群が見られることでしょう。
これからしばらくは太陽に注目です。