2007年1月〜8月の天文現象の報告
                          上原 貞治
                               
◎2006年年末の現象で未掲載のものをまず紹介します。
 12月29日夜に予報されていた小惑星(29769)による104 Tauの掩蔽を観測しましたが、つくば市からは掩蔽は見られませんでした。
 また、12月31日の宵に起こったプレアデスの食を見ました。
 
◎2007年1月14日の白昼に太陽に接近したC/2006P1 マックノート彗星を望遠鏡あるいは双眼鏡で観測することができました。約マイナス5等のコマをもち、青空を背景に純白の尾を引く彗星の姿はすばらしいながめでした。詳しくは、「銀河鉄道」WWW版23号の表紙写真と関連記事をご覧下さい。
 
◎1月14日の宵に、小惑星(76)Freiaによる恒星食の観測を行いました。掩蔽による可能性のある減光を観測しましたが、恒星が安定して視認できる限界に近く十分確かではありませんでした。この減光は、他の箇所で行われた観測と時刻が一致せず、結局、通過であったようです。
 
◎今年は変光星ミラの極大が明るいということで、2月18日の夜に双眼鏡を向けてみました。すでに西に低くなっていましたが、約2等級の明るい恒星を捕らえることができました。大気による減光のため、正確な光度の見積もりはできませんでした。
 
◎2月22日、早く見つかった方の2007年さそり座新星V1280 Sco を10x70双眼鏡で観測しました。4.8等と見積もりました。
 
◎7月27日、予想外の増光を見せたリニア彗星(C/2006 VZ13)を20cm反射で眼視観測しました。7.0等と明るいものでした。その後、西空低くに動いていったので以後観測できていません。
 
◎>> 8月のペルセウス座流星群は、新月で条件が最高です。<<
8月13日の明け方に好天に恵まれ、実質合計75分ほど観測できました。ペルセウス群流星10個と散在流星1個を見ることができました。暗めの流星がちらりほらりという感じで1980〜90年代ほどの勢いはなく、残念ながら立て続けに明るい流星が飛ぶということはありませんでした。母彗星が遠ざかってしまったので、ペルセウス群は今後は平均的にはこのような状況が続くのかもしれません。でも、銀河鉄道のバックナンバーを見る限り、私がペルセウス群流星を10個以上見たのは2000年以後では今年が初めてのようです。

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