オーロラ撮影南限記録更新か!


撮影者、芦谷さんに聞く


報告者 田中邦明(福知山)


 平成15年10月28日、太陽面で大規模な爆発が起こり世界各地で磁気嵐やオーロラの観測等が報告された。
 その数々の観測の中でも京都府加佐郡大江町の大江山連峰山腹でオーロラを撮影した京都府立工業高等学校の芦谷教諭は撮影の南限を更新した撮影記録ではないかと騒がれ、新聞やWEBでも報道され注目された。
 今回は、その芦谷教諭にインタービュを行い、今回の記事とした。ちなみに報告者・田中と芦谷教諭は同じ職場の同僚である。

−今回撮影に行かれたきっかけは?

 インターネットで、過去最大規模の太陽フレアが発生し、磁気嵐が起こる危険性があると報じていましたので、これは!と思いました。
 また、10月30日のお昼、自宅の望遠鏡で、太陽をみてびっくりしました。肉眼でも確認出来るほどの黒点ができているではありませんか!
 ということは、オーロラが発生している可能性も大きいと思いました。

−オーロラが出るかもしれないと思われたのは、いつですか?

 アメリカのwebニュースにアクセスすると、やっぱり、低緯度でのオーロラが撮影されていました。
 緯度も私が住んでいる所よりも低い地点で撮影されていたので、も・し・か・して!!!と思いました。

−実際の空の状態はいかがでしたか?

 10月30日は晴れていましたので、今日は撮影が出来るぞ!と気合い十分で大江山に向かいました。

−撮影機材は?

 カメラは、3台使用して、北東、北、北西の方角の撮影を行いました。
 カメラは6×7フィルムサイズ1台と35mmフィルムサイズ2台です。レンズは6×7サイズが75mm、35mmサイズは24mm、28mmで行いました。絞りは開放です。
 フィルムは、E200とフジの800(ネガ)を使用しました。

−そのフィルムを選んだ理由は?

 E200を選んだ理由は、低緯度オーロラのスペクトルが630ナノであるらしいということを聞いた事があったので、その辺の感度特性が良さそうな、E200を選んであとで増感しました。

−実際の撮影での苦労は?

 露出は、雲がでたり晴れたりでしたので、それをさけながらの撮影になりました。
 また、アマチュア無線(HF)を受信したり、FMラジオや短波ラジオを持参して、放送を受信しました。
 特にHF帯で受信状況は磁気嵐の影響かノイズが入り、全然受信出来ない時が多々ありました。

−撮影場所をここにされたのは?

 大江山を選んだ理由は、雲海がでて、町明かりが拡散され、カブリの影響を抑えられることとがひとつ。
 また、北の水平線が見渡せる様な位置にあるということ。
 よく行っている(3日前にも行って撮影してました。)という理由です。
 でも、熊がでるかも知れない所ですので少し怖いです。

−実際に撮影された時間は?

 撮影は10月30日18時30分頃から10月31日4時30分頃まで行いました。

−では実際の写真を拝見します

 この左と右側の写真を見比べていただければ、その変化にお気づきいただけると思います。
 写真は10月31日未明、03:30と04:30です。露出は各4分(手前の茂み辺りが水平線です)
 この2枚を並べた写真は新聞等にもご紹介していませんので、本邦初公開です。



 以上、最近話題になった大江山で撮影されたオーロラについて撮影者の芦谷さんにお聞きしました。
 次回は、天文写真にのめり込むようになったきっかけをお尋ねします。お楽しみに…。
 

関係WEB サイト

京都新聞 平成15年10月31日 WEB:http://www.kyoto-np.co.jp/kp/topics/2003oct/31/W20031031MWE1K500000059.html
両丹日日新聞 平成15年11月1日 WEB:http://www.ryoutan.co.jp/news/2003-11/1.htm