彗星眼視観測報告(2008年)
C/2007 N3 Lulin 彗星の眼視観測
2008 Dec.30.851UT, m1=7.2, Dia=3', DC=5,
円盤状。trans=4/5、快晴。20cm反射、40倍、低空高度14度。
観測者: 上原 貞治(茨城県つくば市)
初めてこの彗星を観測しました。眼視では小さいながらもしっかりとした集光があり、
典型的な中規模の円盤状の彗星のように見えます。低空で周辺部がよく見えず、Dia、光度
とも中心付近のみの観測値です。
C/2007 W1 Boattini彗星の眼視観測
2008 May 6.455UT, m1=7.1, Dia=5', DC=4,
円盤状。trans=3/5、快晴。20cm反射、40倍。
さらに大きく広がっている感じもあるが、面積あたりの
光度が低くて見にくい。
観測者: 上原 貞治(茨城県つくば市)
46P/ Wirtanen彗星の眼視観測
2008 Jan.26.396UT m1=8.8, Dia=4', DC=5,
円形。trans=3/5、快晴。20cm反射、40倍。
観測者: 上原 貞治(茨城県つくば市)
観測地から西空方面は夕方は光害が激しく、Jan.6にはっきりと見えな
かったときと似たような状況でしたが、今夜は何とか見えました。
円形にぼーっと拡がっていますが、1'程度の視直径の中央集光もかっちり
と見えています。
8P/ Tuttle彗星の眼視観測
1) 2008 Jan.4.444UT m1=5.7, Dia=20', DC=4,
trans=4/5、快晴。10x70B。
2) 2008 Jan.6.376UT m1=5.3, Dia=20', DC=3,
trans=2/5、快晴。10x70B。
観測者: 上原 貞治(茨城県つくば市)
Jan.4には、拡散していてしっかりしたイメージとは言えませんが、
大きな彗星としてちぎれ雲のように見えました。
Jan.6は空の状態が悪く、彗星は茫洋と見えるのみですが、明るい
部分の面積が広いため、光度の目測としては明るくなりました。
比較的近いところにある46P/Wirtanen彗星にも20cm反射40倍を向けて
みましたが、空の背景が明るく確信を持って見えたと言えるほど
には見えませんでした。
17P/ Holmes彗星の眼視観測
1) 2008 Jan.4.441UT m1=4.7, Dia=50'x30', DC=1,
PA150度-330度の方向に伸びた楕円形。
trans=4/5、快晴。10x70B。
2) 2008 Jan.6.387UT m1=4.5, Dia=60'x30', DC=2,
PA135度-315度の方向に伸びた楕円形。
trans=2/5、快晴。10x70B。
観測者: 上原 貞治(茨城県つくば市)
1) 相当暗くなり、視認できる範囲が小さくなってきました。
見るのが厳しくなってきたという感じです。M31や近くの散開星団M34
と比べてそれらよりも全光度がそれほど明るいとは思えません。
2) 空の状態はJan.4と比べて悪かったのですが、ちゃんと見えました。
2つの恒星と重なっています。核の再増光でないか一応チェックしました。
8P/ Tuttle彗星の眼視観測
2008 Jan.1.365UT m1=5.8, Dia=20', DC=5,
尾不明。9等くらいの核が見える?
trans=4/5、快晴。10x70B。
観測者: 上原 貞治(茨城県つくば市)
一見してある程度の明るさの光のシミのように見えますが、よく見ると
かなり周辺まで連続的な明るさで拡がっていることがわかります。なぜだか
わかりませんが、コマは三角形か台形に見える印象で円形には見えません。
8.6等の恒星と近接していましたが、それとは別にやや暗い恒星状の核が
見えました。
2008年の観測は、ホームズ彗星が無事に年を越したか確認することから
始めました。
17P/ Holmes彗星の眼視観測
2008 Jan.1.364UT m1=4.2, Dia=60'x30', DC=2,
内部コマはPA150度-330度の方向に伸びた楕円形。
trans=4/5、快晴。10x70B。
観測者: 上原 貞治(茨城県つくば市)
お正月で休業しているところも多いのか、いつもよりくらい空です。
12/30よりはよい透明度ですが、外部コマは全く見えませんでした。
もはや市街地で外部コマを眼視で見ることは困難になったようです。
一方の内部コマは、だんだん暗くなってはいますが12月中旬と比べて
それほど大きな差はないようですので、冬の澄んだ大気のもとでは
まだしばらく見え続けそうな感じです。