彗星眼視観測報告(2007年)



8P/ Tuttle彗星の眼視観測

2007 Dec.30.410UT  m1=5.6, Dia=15', DC=5,
 尾不明。なんとなくいびつなかたちをしている。
 trans=3/5、快晴。10x70B。

 観測者: 上原 貞治(茨城県つくば市)

明るく見やすいです。中央集光に鋭さはありません。
コマ全体で明るさを支えているようです。比較的近くに
見えているホームズ彗星を見たあとでは小さく見えますが、
これもけっこう大きな彗星です。


17P/ Holmes彗星の眼視観測

2007 Dec.30.406UT  m1=4.0, Dia=60'x60', DC=3,
 尾不明。内部コマはPA150度-330度の方向にやや伸びている。
 trans=3/5、快晴。10x70B。

 観測者: 上原 貞治(茨城県つくば市)

12月15日と比べてさらに淡くなりましたが、大きく変化した
というほどではありません。



8P/ Tuttle彗星の眼視観測

2007 Dec.15.392UT  m1=7.9, Dia=5', DC=4, 
 trans=3/5、快晴。20cm反射、40倍。

 観測者: 上原 貞治(茨城県つくば市)

拡散して見にくいです。大きさは小さくも見え、またはずっと大きくも
見えます。上のDiaは確実に見える範囲を示しました。PA90度方向に
コマが伸びているようにも見えますが、尾という印象はありません。



17P/ Holmes彗星の眼視観測

1) 2007 Dec.5.429UT  m1=3.2, Dia=30'x30', DC=4,
 尾45'、Diaは内部コマのみの大きさ、trans=4/5、快晴。
 10x70B。

2) 2007 Dec.15.382UT m1=3.6, Dia=55'x35', DC=3,
 尾とコマの区別つかず。PA140-320度の方向に伸びている。
 trans=3/5、快晴。10x70B。

 観測者: 上原 貞治(茨城県つくば市)

恒星像をボカして比較できる大きさではないので、M31の
明るさと比較して光度を見積もっています。彗星はM31の
中心部よりは暗いです。見えている部分の面積は彗星の
ほうが2倍くらい大きいです。12月5日は、まだ彗星らしく
見えましたが、12月15日には、ただいびつな雲のように夜空が
そこだけ明るくなっているように見えるだけです。



17P/ Holmes彗星の眼視観測

2007 Dec.2.438 UT  m1=3.0、Dia=70'x40'の楕円形、DC=4、
尾とコマの区別がつかない。PA 0度-180度の方向に長くなっている。
trans=3/5、快晴。
10x70mmB。

 観測者: 上原 貞治(茨城県つくば市)

都合でしばらく観測できなかったので、久々の観測です。
M31と比べてみました。中心部の明るさはM31のほうが1等近く
明るいですが、大きさは彗星のほうが3倍くらい(視角で)大きい
です。M31が小さく見えてしまうというものすごい彗星です。



17P/ Holmes彗星の眼視観測

(1) 2007 Nov.22.403 UT  m1=3.0、Dia=40'、DC=4、
    尾不明, trans=3/5、快晴、月明。
10x70mmB。

(2) 2007 Nov.24.406 UT  m1=4.0、Dia=40'、DC=4、
    尾不明, trans=3/5、快晴、月明影響大。
10x70mmB。

 観測者: 上原 貞治(茨城県つくば市)

(1) 2.3x40Bでは、ほとんど見えません。(すみません。
Nov.20の観測のコメントは、2.3x40Bの間違いです。)
10x70Bでは、コマが南北に伸びている様子はわかりますが、
淡くなったのではっきりした形状には判別できません。

(2) 満月に近い月が近くにあって、10x70でもコマの周辺部
はほとんど見えません。背景の空の明るさよりわずかに
明るいという程度のものです。恒星のピントをはずして
比べようにも、彗星の径まで暈かすことはできず、
光度の目測は誤差が大きいものと思います。




17P/ Holmes彗星の眼視観測

2007 Nov.20.386 UT  m1=3.5、Dia=40'、DC=4、
    尾不明, trans=3/5、快晴、月明。
10x70mmB。

 観測者: 上原 貞治(茨城県つくば市)

拡散して月明に弱くなりました。2.3x40Bでは、
α Per の近くにいることもあって相当見にくかったです。



17P/ Holmes彗星の眼視観測

2007 Nov.16.445 UT  m1=2.9(#)、Dia=30'、DC=5、
    PA200度に15'の尾, trans=3/5、快晴。
10x70mmB、(#)光度の見積もりのみ2.3x40mmB。

 観測者: 上原 貞治(茨城県つくば市)

今日はまずまずの空の透明度でした。内部コマが紡錘形を
しているのがよくわかりました。昨日と比べて大きく変化は
していないように思います。



17P/ Holmes彗星の眼視観測

2007 Nov.15.451 UT  m1=2.9(#)、Dia=25'、DC=5、
    PA200度に10'の尾, trans=2/5、快晴。
10x70mmB、(#)光度の見積もりのみ2.3x40mmB。

 観測者: 上原 貞治(茨城県つくば市)

内部コマの輝きが2日前よりも淡くなった印象です。
空の透明度も悪かったのですが、そういうこととは別に輝きに
力強さが失われ、拡散してあとは消え去るのみという雰囲気に
見えてきました。主観的な感想ですみません。


17P/ Holmes彗星の眼視観測

2007 Nov.13.436 UT  m1=2.6(#)、Dia=25'、DC=6、
   「核」は見えず。PA210度に15'の尾
  trans=4/5、快晴。
10x70mmB、(#)光度の見積もりのみ2.3x40mmB。

 観測者: 上原 貞治(茨城県つくば市)

外部コマと背景の空の明るさの境界は、少なくともコマの
北側でははっきりしています。核が見えたと思ったけれども
調べると7等の恒星でした。尾とコマの区別ははっきり
しません。



17P/ Holmes彗星の眼視観測

(1) 2007 Nov.4.424 UT  m1=2.7(#)、Dia=18'、DC=6、
   「核」はほとんど見えない。trans=2/5、快晴。

(2) 2007 Nov.7.446 UT  m1=2.8(#)、Dia=20'、DC=6、
    「核」は見えない。尾 PA220度に8'(外部コマの内部),
  「外部コマ」と「内部コマ」の境目不明瞭。
  trans=2/5、快晴。

[共通データ」10x70mmB、(#)光度の見積もりのみ2.3x40mmB。
 観測者: 上原 貞治(茨城県つくば市)

11/7の観測では、内部コマの伸び方の形状が楕円形ではなく
尾のくっついたようなかたちになりました。
肉眼では恒星状に見えます。



17P/ Holmes彗星の眼視観測

2007 Nov.3.408 UT  m1=2.8(#)、Dia=18'、DC=6、
「内部コマ」と「外部コマ」はそれぞれ円盤状。
外部コマの中心に「核」が見える。
内部コマの中心はこれらより少し南東にシフトしている。
10x70mmB、(#)光度の見積もりのみ2.3x40mmB、
trans=3/5、快晴。
  観測者: 上原 貞治(茨城県つくば市)

 これまで私が中央集光と呼んでいた部分が
大きく拡がり明暗の構造ができてきたので、
これを「内部コマ」と呼ぶことにしました。
「核」は見えますが、相当暗くなったようで、
内部コマの明るさに埋もれて見にくくなりました。


17P/ Holmes彗星の眼視観測

2007 Oct. 31.409 UT  m1=2.5(#)、Dia=15'、DC=7、

PA45度-225度方向に中央集光部が伸びているように見えるが、
これは「核」が中央集光の中心からPA45度方向にずれている
ための錯覚かもしれない。
10x70mmB、(#)光度の見積もりのみ2.3x40mmB、
trans=2/5、晴れ、周辺にちぎれ雲あり。

  観測者: 上原 貞治(茨城県つくば市)

初めての月明無しの条件での観測です。
コマの内部構造や「核」が10x70で見えるように
なってきました。コマの中央集光の外側の部分に
渦巻き銀河を連想させるようなリング状あるいはらせん状
の構造がみえるような気がしますがはっきりとしません。



17P/ Holmes彗星の眼視観測

2007 Oct. 29.476 UT  m1=2.3(#)、Dia=10'、DC=7、
PA50度-230度方向にコマが伸びている。
10x70mmB、(#)光度の見積もりは2.3x40mmB、
trans=2/5、晴れ、月明。

  観測者: 上原 貞治(茨城県つくば市)

 コマの内部に光度変化ができて一挙に彗星らしく
なってきました。尾がPA50度と230度の両方向
に伸びているような感じもしますがはっきりと
しません。



17P/ Holmes彗星の眼視観測

2007 Oct. 28.385 UT  m1=2.3(#)、Dia=8'、DC=7、円盤状、
尾見えず、10x70mmB、(#)光度の見積もりは2.3x40mmB、
trans=2/5、晴れ、雲がちらほらあり。
低高度に月あり。

  観測者: 上原 貞治(茨城県つくば市)

 10x70mmでコマの明るさが2段階構造になっているのがわかり
ます。錯覚かもしれませんが、外側のコマがリング状に明るく
なっているような印象があります。


17P/ Holmes彗星の眼視観測

2007 Oct. 25.399 UT  m1=2.2、Dia=2'、DC=8、円盤状、
尾見えず、10x70mmB、trans=3/5、曇り(雲間から)、月明。

  観測者: 上原 貞治(茨城県つくば市)

 昨夜はものすごい増光だったそうですが、今夜はあいにく
つくば地方は雲の多い空です。雲間がペルセウス座の方向に
移動するのを待って観測しました。この時点では、肉眼では
よく見えず、また曇ってしまいました。
 20時過ぎにもういちど晴れ間がやってきました。
この時は、2.3x40mmBで、α Per、δ Per、彗星 が
似たような光度で、見慣れぬ直角三角形をつくっているのが
よく見えました。彗星は2.3倍では恒星状で、α Perとδ Per
のちょうど中間くらいの明るさに見えました(すなわち2.4等)。
肉眼でも見えました。10x70Bで見ると、黄色く大きさもはっきり
見えるので、2.3x40Bで見たときよりも少し明るく感じます。



C/2006 VZ13 LINEAR 彗星の眼視観測

2007 Jul. 27.479 UT  m1=7.0、Dia=5'、DC=4、円盤状、
尾見えず、20cm反射、40倍、trans=3/5、快晴、月明。

  観測者: 上原 貞治(茨城県つくば市)

 昨年秋のSWAN彗星以来、久しぶりに夜空に彗星を見ました。
この彗星がじゅうぶんな高度で見られるのはあと数日しかないと
いうことで、何とか見ておこうと月明を冒して観測しました。
しかも、湿度の高い煙ったような空で、さらに蚊の連続攻撃を
受けました。でも、彗星の近くの10等星が見えましたので、
そんなに透明度は悪くなかったと思います。
 彗星自体は大きく淡く拡がっており、そんなに見やすくは
ありませんでした。コマの中心部分は近くの10等星と同じ
くらいの明るさに見えましたので、多少の中央集光はある
ものと判定しました。



昼間のC/2006 P1 McNaught 彗星の観測

1/14の15時30分以降は日没頃まで、双眼鏡10x70mmで楽に
見られました。尾は、6'くらいの長さに見えました。
青空を背景にした彗星を双眼鏡で見て感激しました。

C/2006 P1 McNaught 彗星の観測と写真撮影

C/2006 P1 McNaught彗星を白昼の空に20cm反射、107倍で観察してみますと、
頭部に核が小さく見えますが、それなりの大きさがあって鋭い恒星状の核
という感じではありません。扇形の尾がうっすらと見えています。
せっかくの珍しい光景なので、カメラ付きケータイでそのままコリメート法で
写真を撮りました。案外写るものです。下のURLをご覧下さい。


http://www.d1.dion.ne.jp/~ueharas/seiten/cometobs/su_c2006p1.jpg



C/2006 P1 McNaught 彗星の眼視観測

2007 Jan. 14.050 UT  m1=-5程度(?)、Dia=0.5'、
DC=7、尾 PA80degに2'、20cm反射、trans=4/5、快晴。

  観測者: 上原 貞治(茨城県つくば市)

 空気の澄んでいる午前中の青空に彗星を見ようと思い、まず双眼鏡
(10x70)を9h15mJSTごろ向けてみましたが、空がまぶしく何も見え
ませんでした。
 その後、20cm反赤(ニュートン)を持ち出しました。彗星は
太陽の東6度北1度にあるので、太陽に向けていったん望遠鏡を
固定し、約20分後に望遠鏡を少し北に向けると彗星を簡単に
捕らえることができました。

 双眼鏡で見えなかったこと、以前見た金星よりはそんなに
明るい感じがあまりしないこと、でも、白昼見る金星や木星と
違って「しっかりと輝いている」という感じがすることから
金星よりやや明るい−5等程度と見積もりましたがよくわかり
ません。40倍では頭部は恒星状にしか見えません。扇形のかなり
南北に広がったコマ+尾が東側にほぼ正三角形の形に見えます。
白昼の空に彗星を見たのは初めての経験でした。