私が選んだ2019年の天文現象
          上原 貞治
 
 今年も例年のごとく2019年のめぼしい天文現象をリストアップしてみました。
 下の表を見て下さい。「時」は、おおよその時刻です。本当は、もっと正確な時刻がわかっているのですがここでは省略しています。目安だと思って下さい。実際に観測する際は、もっと詳しい予報をご自分で入手して下さい。
 
「種別」の意味は以下の通りです。年によってないのもあります。
 
ast --- 小惑星による恒星の掩蔽(恒星食)
com --- 彗星の観測好期
occ --- 月による星食
pla --- 惑星に関わる現象
S.ecl ---  日食関係
M.ecl ---  月食関係
met --- 流星群
 
 ソースとして、おもに天文年鑑2019(誠文堂新光社)を利用しました。 
 
 天文現象は、関東地方で観測に適している現象ということで選びました。これは筆者が現在関東に住んでいるためであります。他の地方に在住の方には申し訳ありません。関西地方(実際には近畿全般)での現象の観測の可否を最終欄に示しました。◎は関西でもほぼ同様に観測できる現象、○は多少条件は異なるものの観測できる可能性のある現象、×は観測できない現象を示します。
月日・期間 種別 現象 評価 関西
前年〜2月 com 46P/ヴィルタネン彗星 ***
1月2日 明け方 pla 月と金星の接近 *
1月4日 明け方 met しぶんぎ座流星群 ***
1月6日 8 S.ecl 部分日食 ***
2月1日 pla 月と金星の接近 *
2月11日 1 ast (216)Kleopatraによる掩蔽 *** ×
6月18日 夕方 pla 水星と火星の接近 *
7月17日 4 M.ecl 半影月食 *
7月17日 21 ast 冥王星による掩蔽 **
8月12-14日 深夜〜 met ペルセウス座流星群 **
11〜来年1月 com 289P/ブランペン彗星 **
11〜来年 com C/2017T2 パンスターズ彗星 ***
11月14日 23 ast (119)Althaea による掩蔽 ** ×
11月15日 0 ast (1963)Bezovecによる掩蔽 ** ×
12月14-15日 met ふたご座流星群 **
12月26日 14 S.ecl 部分日食 ***
 
 それでは、**以上のものの一部について、状況を予想してみましょう。
 
●1月4日のしぶんぎ座流星群は、極大予想が同日11時のため、夜明けに向かって増えていくと予想されます。月の影響はありません。
 
●1月6日の部分日食は、本州の大部分では、食分0.35〜0.50です。
 
●2月11日の小惑星(216)Kleopatraによるいっかくじゅう座の9.5等星の掩蔽は、東北、関東甲信越地方などで好条件で見られるという予報が出ています。
 
7月17日の冥王星によるいて座の12.5等星の掩蔽は、日本全国で確実に掩蔽すると予想されますが、いかんせん恒星が暗いので、望遠鏡で、低速動画撮影するとか、速度をずらして追尾するとか何らかの工夫が必要と思います。
 
●今年のペルセウス座流星群は、月の影響が大きく、13日の早朝、月が低くなってからが比較的よい条件です。
 
●11月14日の小惑星(119)Althaeaのヒアデス星団おうし座γ星(3.8等)の掩蔽は、大きめの小惑星による明るい恒星の掩蔽ですが、現在の予報では、見られるそうなところは南関東と静岡県に限られています。
 
●289P/ブランペン彗星、C/2017 T2 パンスターズ彗星は、いずれも2019年11月〜2020年にかけて、観測しやすい位置関係で地球に接近しますが、8等級以上の観測しやすい光度になるかどうかは今のところ不明です。
 
●12月14〜15日のふたご座流星群は、月が輻射点の近くにあり条件はかなり悪いです。
 
● 12月26日の部分日食は、本州の大部分では、食分0.30〜0.40です。
 
  今年はそれほどめぼしい天文現象はありません。