私が選んだ2008年の天文現象
上原 貞治
 
 2008年のめぼしい天文現象をリストアップしてみました。
 下の表を見て下さい。「時」は、おおよその時刻で一部でいわゆる30時制を採用しています。つまり、24時より大きい数値は翌日の早朝を意味しています。本当は、もっと正確な時刻がわかっているのですがここでは省略しています。目安だと思って下さい。実際に観測する際は、もっと詳しい予報を自分で入手して下さい。
 
「種別」の意味は以下の通りです。
 
ast --- 小惑星による恒星の掩蔽(恒星食)
com --- 彗星の観測好期
ocl --- 月による星食
pla --- 惑星現象
M.ecl ---  月食
S.ecl --- 衛星の惑星の影による食
met --- 流星群
 
 このリストの製作には、小惑星による恒星の掩蔽については、佐藤勲氏による初期予報、その他の現象については天文年鑑2008(誠文堂新光社)を利用しました。 
 
 天文現象は、関東地方で観測に適している現象ということで選びました。これは筆者が現在関東に住んでいるためであります。他の地方に在住の方には申し訳ありません。関西地方(実際には近畿全般)での現象の観測の可否を最終欄に示しました。◎は関西でもほぼ同様に観測できる現象、○は多少条件は異なるものの観測できる可能性のある現象、×は観測できない現象を示します。
 
月/日 種別 現象 評価 関西
1月   pla 火星小接近 **
1月   com 8P/タットル彗星 **
1月   com 46P/ウィルタネン彗星 *
1月4日   met しぶんぎ群 **
1月24日 18 ast (624) Hektor **
2月2日 明け方 pla 金星と木星の接近 **
3月27日 27 ast (1623)Vivian *
4月3日 20 ast (279)Thule **
4〜5月 夕方 com Boattini彗星 **
5月10日頃 夕方 pla 水星 **
6月7日 24 ast (106)Dione **
6月14日 25 ast (1333)Cevenola * ×
6月17日 1 ocl π Sco *
7〜8月 明け方 com Boattini彗星 **
8月12日 深夜 met ペルセウス群 **
8月17日 4 M.ecl 部分月食 **
10月10日 18 ocl 海王星食 ** ×
10月13日 19 ast (139)Elektra * ×
10月17日 19 ocl プレアデス食 ** ×
10月24日 22 ast (3171)Wangshouguan *
11〜12月   com 85P/ボーシン彗星 **
11月12日 4 ast (135)Herta ** ×
11月16日 20 ocl ε Gem *
12月13-14日   met ふたご群 *
12月29日 12 ocl 白昼の水星食 **

























 
 
 では、評価の*印の2個以上のものをいくつかかいつまんで詳細を紹介しましょう。
 
● 1月に接近するタットル彗星は、すでに2007年12月に7等台で見えています。
● Boattini彗星は、5月は夕空に7月は明け方の空に7等くらいで見られるでしょう。
● 8月のペルセウス座流星群は、月齢11で今ひとつの条件です。
● 8月17日の部分限月食は月が欠けたまま没します。
● 12月のふたご座流星群は満月に近く条件はよくありません。
 
今年もとりたててこれという現象はありません。星3つがないのが寂しいです。今年も
突然の彗星に期待しますか。