私が選んだ2007年の天文現象
上原 貞治
 
 2007年のめぼしい天文現象をリストアップしてみました。
 下の表を見て下さい。「時」は、おおよその時刻で一部でいわゆる30時制を採用しています。つまり、24時より大きい数値は翌日の早朝を意味しています。本当は、もっと正確な時刻がわかっているのですがここでは省略しています。目安だと思って下さい。実際に観測する際は、もっと詳しい予報を自分で入手して下さい。
 
「種別」の意味は以下の通りです。
 
ast --- 小惑星による恒星の掩蔽(恒星食)
com --- 彗星の観測好期
ocl --- 月による星食
pla --- 惑星現象
M.ecl ---  月食
S.ecl --- 衛星の惑星の影による食
met --- 流星群
 
 このリストの製作には、小惑星による恒星の掩蔽については、佐藤勲氏による初期予報、その他の現象については天文年鑑2007(誠文堂新光社)を利用しました。 
 
 天文現象は、関東地方で観測に適している現象ということで選びました。これは筆者が現在関東に住んでいるためであります。他の地方に在住の方には申し訳ありません。関西地方(実際には近畿全般)での現象の観測の可否を最終欄に示しました。◎は関西でもほぼ同様に観測できる現象、○は多少条件は異なるものの観測できる可能性のある現象、×は観測できない現象を示します。
 
月/日 種別 現象 評価 関西
1月14日 18 ast (76)Freia **
1月28日 25 ast (3025)Higson *
3月30日 21 ast (7)Iris * ×
4月14日 11 ocl 昼間の火星食 *
5月5日 20 S.ecl イアペトゥスの土星環による食 *
5月13日 19 ast (1867)Deiphobus *** ×
6月19日 16 ocl 昼間の土星食 *
7月11日 3 ocl プレアデス食 **
8月8日 28 ast (15)Eunomia **
8/12〜14 夜半〜 met ペルセウス群 ***
8月28日 18 M.ecl 皆既月食 ***
8月27日 明け方 pla 金星と土星の接近 **
8月27日 21 ast (892)Seeligeria **
9月23日 18 ast (174)Phaedra *
9月30日 22 ocl プレアデス食 **
10月25日 22 ast (918)Itha *
11月〜翌年1月   pla 火星小接近 **
11月〜翌年1月   com 8P/タットル彗星 **
11月24日 19 ocl プレアデス食 *
12月4日 22 ast (1649)Fabre **
12/13〜15 21以降 met ふたご群 ***
 
 
 では、評価の*印の2個以上のものをいくつかかいつまんで詳細を紹介しましょう。
 
● 5月5日の土星の衛星イアペトゥスの食は、日本では、環による食が観測できます。しかし、衛星が暗く、近くに土星が光っているので観測は困難と思われます。
 
● 5月13日の小惑星(1867)デイフォブスによる8.5等星の掩蔽は、トロヤ群小惑星による比較的明るい恒星の掩蔽で注目されます。
 
● 8月のペルセウス座流星群は、新月で条件が最高です。
 
● 8月28日の皆既月食は、月出後まもなく皆既となり、宵空に皆既の月が約1時間30分にわたって見られます。
 
● 12月のふたご座流星群の月の条件はまずまず申し分のないところです。
 
● 12月下旬には、タットル彗星が6等になるという予報になっています。位置は、北の空の観測条件の良いところです。
 
今年もとりたててこれという現象はありません。非常に条件がよいわけではありませんが、プレアデス食を鑑賞して下さい。